第95回 健康セミナー(東京)
期日 2015年8月22日(土)
会場 あすか会議室 東京駅前八重洲口会議室
毎回のことですが、講師は、クレアチニンの数値を下げるには、内臓トレーニングと食事療法が車の両輪であり、どちらを欠いてもクレアチニンの数値は下がらないと話しています。もっと詳しく言うと、クレアチニンの数値を下げるための大前提として、まず食事療法をする必要があると説明しています。
ところで、糖尿病性腎症の人は、糖尿病のための食事療法と腎臓病のための食事療法がまったく逆なため、2つの病気の進行状態を見ながら自己管理していく必要があります。
自分の病気を人に任せた結果、透析に入ってしまったKさんの例を紹介してみましょう。
1昨年、内臓トレーニングに取り組んだKさんは、83歳の女性でクレアチニン値は4.10、尿素窒素は101.0、尿酸値は10.1と基準値を大きく上回っていました。このため、主治医の指導で熱心に食事療法に励んでいましたが、一向に数値が改善しませんでした。そこで、主治医からの食事指導の内容を見せてもらったところ、1日の必要栄養量は、エネルギー1300Kcal、たんぱく質50g、脂質30~36gとし、注意点として「脂質の多い食品を少なくし、野菜を多くとると良いでしょう」と、書いてありました。普通、腎臓病の食事療法の基本としては、たんぱく質の摂取はできるだけ少なくするように勧められます。83歳の小柄な女性なら、エネルギー1600Kcal、たんぱく質30gといわれ、たんぱく質を減らしてエネルギーは脂質で補い、果物や野菜を取りすぎないよう指導されます。
主治医からの指導は、腎臓病のためではなく、糖尿病のための食事指導ではないかと思われます。Kさんは、「透析はいやだ」と思って内臓トレーニングを始めたにも拘わらず、この食事療法もあって透析に入ってしまいました。Kさんの主治医が、どんな考えの下に糖尿病食を優先したかは分かりませんが、Kさんにとって残念な結果になってしまいました。主治医の中には、腎臓病が悪化しても最後に透析という延命治療があるとして、腎臓病よりも糖尿病の治療に主眼を於いている人もいます。
糖尿病性腎症の人は、糖尿病の数値と、腎臓病の数値の両方を見ながら食事療法を行っていく必要があります。
講師は、自分の病気について勉強しましょう。透析にならないためには、「自分の病気を人任せにしないで自分で管理するようにしましょう」と、結んでいました。
【参加された方の感想】
————————————————————————————————————-
————————————————————————————————————-
————————————————————————————————————-
————————————————————————————————————-
————————————————————————————————————-