第86回 横浜セミナー報告
◇第86回 健康セミナー(横浜市) 9月13日(土)13:30~16:30
第5 安田ビル
天気快晴。今回の神奈川の皆さん含め首都圏の皆さんは欠席が少ない。ビジネスで鍛えられているせいか時間も正確だ。講師の話にうなずく人、メモを取る人、血液検査表を確認する人など皆さんそれぞれ真剣に聞いていた。
皆さんの背中をみながら
「背を向ける」、「背中を見て育つ」、「背中を押す」、「背中が語る」。背中を使った表現を思い出した。「背を向ける」は無関心又は拒否を示し、「背中を見て育つ」や「背中は語る」は、その前に「暗黙のうちに」という言葉がつく。肩には良い意味も悪い意味もある。
セミナー前の皆さんの背中には共通する表情がある
今、セミナーが始まった。見るともなく皆さんの背中を見ている。肩の張った大きな背中、肩を落とした背中、丸く小さな背中、背筋を伸ばした背中、みんな特徴があり同じ背中は一つもない。ただ、強いて言えば2つに特徴付けることができる。一つは、ぽっちゃりして肉厚の背中、もう一つは、丸く小さな背中である。前者は、食事療法を実践していない人たちの背中であり、後者は塩分や蛋白制限を行っている方々の背中だ。セミナーに参加された皆さんだから、腎臓病を気にし、透析にはなりたくないと思ってやってきたはずだ。しかし、肉厚の背中の皆さんは、自覚症状がないのかまだ腎臓病の本当の怖さを実感されていない方が多い。後者の背中は、食事を制限し、eGFR又はクレアチニンの数値のコントロールをしている人たちだ。皆さんの背中を見ると、その人が腎臓病についてどの程度の知識を持ち、どの程度の病気と向き合っているかが判断できる。まさに「背中が語っている」といえよう。
その他、皆さんに共通するのは、「肩を落とした背中」になっていることだ。
これは 「あなたの病気は治らない」とか、「半年後には透析になる」など、通院のたびに念を押されて気持ちが萎えてしまうからだろう。何か嬉しいこと,楽しいことがあっても「でも腎臓病だから・・・」。少しでも透析を遅らそうと、運動をしたり食事療法を行っても、「クレアチ二ンは下がらない」、「下がっても誤差のうちだ」と、にべもなく否定されればうな垂れてしまうのはしかたない。
心地よい緊張感の中で講師の話が佳境に入ると
話が血液検査表の見方に進むと、持参した血液検査表を見て自分の病気の進行度合いを確認する人。スライドに映し出された、クレアチニンの数値を大幅に下げた人の喜びのメールを食い入るように眺める人。「87歳でもクレアチニンを下げることはできるのですよ」という説明を聞いて隣の人とヒソヒソ話し合う人。「数値の急激の変化には何か必ず原因がある。自分でその原因を突き止めましょう」との説明に大きくうなずく人。講師の言葉に反応する度に、首が上がったり、背筋が伸びたり、背中に表情が出てくる。講師の話に共感し、自分で自分の病気を治そうという意欲が出てきたからだろう。
帰る時の背中は、背筋が伸び丸まっていた背中が大きくなっていた
プリマドンナは、観客に背中を見せただけで自分を判別してもらえるよう努力するそうだ。そのため、背中の筋肉を鍛えて自分なりの表現方法を工夫するという。後輩たちはマドンナの背中を見て芸に励む。冒頭の表現に倣えば、観客に「背を向ける」ことによって「背中で語り」、後輩を「背中で育てて」いるといえよう。
横浜セミナーの皆さんは、講師の話が進むにしたがって、頭が上がり、背筋が伸び、丸まっていた背中が大きくなっていった。そして、振り返った顔には目ちからがつき、精悍な顔か笑顔になっていた。
【参加された方の感想】
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