第74・75回 仙台・埼玉セミナー報告「尿中アルブミンは透析に直結!」

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第74回 健康セミナー(仙台市)報告

9月21日(土)13:30~16:30

 当日は快晴で日差しが強く大変暑かった。しかし、吹きわたる風には秋の気配が漂い清涼感のある1日だった。セミナー開始は12:30を予定していたが、皆さん出足が早く開会前には全員が着席された。地元の宮城県はもとより、岩手県、秋田県、山形県、福島県からお集まりになっていた。秋田からお見えになったSさんは、バスで3時間かけてやってきたといっていました。

数値も低くまだまだと思っていたところ
 講師の話は会場が変わっても基本的には一緒です。しかし、実践者から新しい情報をいただくと、そのニュースを新しいトピックとして紹介しています。
 岡山県から静岡のクリニックにおいでになったYさん(女性)は、糖尿病性腎症を患っています。しかし、HbA1cは6.3と基準値内にあり、クレアチニン値も0.81と低いため、病気を深刻には受け止めてはいませんでした。ただ、足のしびれに悩んでいました。
治療の中で、廣岡先生に0.81とクレアチニンは低いが、微量のアルブミン尿が出ているからもう腎臓病の第4期にあると教えられました。第4期といえば、いつ透析になってもおかしくない状況にあるほど病期が進んでいることを意味します。


アルブミン尿の怖さ
 アルブミンとは蛋白の1種で尿中に排出されます。健康な人は30mg/day以下であり、30~300mg/dayは微量アルブミン尿といい早期腎症、300mg/dayを超えると持続性蛋白尿といい、顕性腎症期と診断されるそうです。糖尿病治療では、腎機能の様子を見るため3ヶ月から半年くらいの間隔で測定が行われていますが、これを気にする患者さんはほとんどいません。ある研究によると、尿中にアルブミンがたくさん出ている人は、健康な人に比べ数十倍の確率で心臓血管系の病気による死亡が多いといいます。
 また、実践者の記録を見ると、透析に入る目安が腎臓病だけの人はクレアチニン8.0~10.0が多いのに対し、糖尿病から腎臓病を発症した人は6.0、早い人は4.0くらいから透析に入っています。Yさんの場合は、HbA1cは基準値内ですし、クレアチニンも0.81で、まだまだ腎臓病の初期のように見えます。しかし、アルブミン尿が52と少ないながらも出ていることによって透析直前の段階にあるそうです。糖尿性腎症の皆さん、是非、御自分の血液検査表の尿中アルブミンの数値をチェックしてみましょう。

解決策はある
 尿中にアルブミンが出るのは、①糸球体に過度の圧力が掛かるため、②血管の内側の壁が壊れるためと2つの原因があります。両方とも血流がスムーズに流れていれば修復が可能です。と言うことは内臓トレーニングで全身の血流を活性化し、糸球体の血流をスムーズにすれば解決することになります。糖尿病性腎症の人はより一層トレーニングに励んでください。
なお、降圧剤の中には、尿中アルブミンの数値をコントロールできるものがあるそうですから主治医さんに相談されてみるのも良いでしょう。

【参加された方の感想(仙台)】

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第75回 健康セミナー(さいたま市)報告

9月22日(日)13:30~16:30

 今朝は、仙台を10時26分のはやて26号で発ち11時42分に大宮駅に着いた。1時間16分で走りきったことになる。約45年以上前のこと、東北本線の主力はディーゼル車であり、東京・黒磯間は電気機関車も走り、黒磯以北には蒸気機関車も走っていた。当時は、電車で東京を夕刻に出発し、黒磯でディーゼル車又は蒸気機関車に切替え、夜通し走って仙台には早朝6時頃着いた。時の流れを感じた出張であった。

 今回のセミナーに、青森県のSさんという女性が参加された。ご主人が糖尿性腎症を患っており、最近クレアチニンの数値が急激に上昇してきたことと、下肢のむくみが激しく、しかも、視力も低下してきているということでした。視力の低下は失明につながる糖尿病性網膜症の前兆だし、下肢のむくみは、脚の切断にいたる下半身の壊死が始まったことを意味している。どうやら糖尿病の三大合併症が一度に襲ってきているようだ。そんな危機的な状態に至りながら、ご主人はこのセミナーへの参加に乗り気ではないのだそうだ。しかたなく、奥さんは、はるばる青森から浦和にお一人でやってきたという。帰りがけに奥さんは、今日の話を是非ご主人に聞かせたかったとおっしゃっていました。奥さんが心配しているほどに、ご主人は自分の病気を心配していないように見受けられました。
 ここからは一般論になりますが、糖尿病患者さんは自分の病気に無関心な人が多く、それを心配した周囲の人が献身的に世話をするというパターンが多いようです。特に旦那さんが病気の場合、奥さんが心配すればするほどそれを嫌がり、しまいには怒り出す人もいます。一例を挙げてみましょう。
 以下は、広島県のある奥さんからお聞きしたお話をまとめたものです。

●まず第一に良かったことは、内臓トレーニングに取り組んでクレアチニンの上昇が止まったり、時には数値が下がるようになったことだ。それにより本人も家族も気持ちにゆとりを持つことができた。
●本人は、生活の中で何を大切にし、何を我慢しなければならないかが分かるようになり、病気と上手くつきあえるようになった。
●家族のいうことを聞くようになった。今まで、いけないと分かっていても好きなものは家族に隠れて食べており、家族が注意すると怒り出した。しかし、病気が改善し、協会の皆さんからの手厚い指導より、家族が注意しても反発しなくなった。
●糖尿病食から腎臓病食への切り替えがスムーズにできた。
●うちの夫は、将来自分に降りかかってくる病魔の恐ろしさを直視できず、病気から逃げていた。しかし、内臓トレーニングを始めたことにより病気と真剣に向き合うようになり、将来を語るようになった。

この方のご主人(57歳現役)は、透析の話が出るまで仕事に夢中でした。クレアチニン値が4.67となり、主治医から突然、透析の話が出てきました。本人はもとより、奥さんもびっくり。何とか透析を引き延ばそうと奥さんが協会に連絡をしてきました。クレアチニンの数値を4.67から一時は3.25まで引き下げることができました。この話は、ご夫婦が2人3脚で今までの自分達の生活を見直し、根気強く内臓トレーニングに取り組み、数値も気持も安定しているころに聞いたものです。

協会から:糖尿病性腎症は食事療法を始めとして生活管理が大変難しい病気です。お悩みの方は協会まで御連絡下さい。

【参加された方の感想(埼玉)】

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