第50回 健康セミナー【東京都台東区】を開催いたしました。

ボディービルダーやプロレスラーのクレアチニンの数値は普通の人より高いのか?・・・


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第50回 健康セミナー(台東区)報告
12月3日(土)13:30~17:00
上野駅前の上野ターミナルホテルで開催しました。
当日は千葉市でのセミナー同様暴風雨でしたが、上野駅から徒歩5分という便利な場所だったこともあり、参加希望者のほとんどが参加されました。今後、会場設定は常に駅前周辺にしたいと思いました。
 今回は、お二人の方から腎臓病と運動について話題が出ました。その質問の一つを紹介しましょう。
【質問】
ボディービルダーやプロレスラーは普通の人より筋肉量が多いからクレアチニンの数値は一般の人より高くなるはずだ。例えば、ボディービルダーの数値が2.0であっても、一般の人の2.0よりも病気の進行は遅いのではないか。もしボディービルダー用のeGFRの表があれば見たい。

【回答】 
eGFRは、年齢、男女、筋肉量の多寡などが考慮された数値なので、クレアチニン値より腎臓の残存量を正確に測ることが出来る。同じ男性でも、一般の人より筋肉量の多いボディービルダーのeGFRの数値は高めに出るだろう。しかし、ボディービルダー用の表は作られていないので自分で計算しましょう。計算式はパソコンで探してみてください。
 一般に、男性の方が女性より筋肉量が多い。それ故、慢性腎臓病と診断されるクレアチニンの数値は女性が0.8、男性が1.0と高めに設定されている。ボディービルダーは一般男性より更に筋肉量が多いため数値は高くなる。ただ、ボディービルダーから90歳の老人まで、身長や肥満度、筋肉量や体脂肪の付き方など人の身体は様々です。このため、どこの病院も慢性腎臓病の目安となるクレアチニン値の上限を男性の場合1.10とか1.20としている。ただ、日本腎臓学会を始め多くの総合病院の上限値を見ると1.3以上に設定しているところはない。例えボディービルダーだとしてもクレアチニンが1.3を超えれば、少なくとも腎臓機能の減退は免れないし、慢性腎臓病と病名のつく可能性がある。