第12回 福岡講演会報告 「透析・移植について」

◇第12回 福岡講演会 
2015.10.3(土)13:30~16:30
博多リファレンス 駅東ビル会議室 5F
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今年の九州地方には何度も台風が来襲しました。
強風や豪雨により、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
一日も早く、本来の生活にお戻りできることをお祈りしております。

腎臓病究極の治療法 透析・移植について
 皆さん、「透析は怖い」、「移植を希望」と考えていると思いますが、なかなかその実態を知る機会がありません。先生が講演の中で透析と腎臓移植についてお話していましたので、その一部を紹介してみましょう。
1 透析になると食事制限が緩くなる?
 確かに、透析寸前の尿毒症に苦しんでいるときに比べると、透析に入った直後は、血液中の尿毒素が取り除かれて様々な症状が改善されたり、食事制限が緩くなるため、体も気分も楽になるようです。しかし、透析に入るとダイアライザー(透析機)が腎臓の機能を代行するため、腎臓は徐々にその機能を失っていきます。機能が衰えれば衰えるほど透析による様々な制限が出てきます。
 代表的なものとして水分摂取の管理があります。透析に入ると腎臓は、その機能を失って尿を排出できなくなり、尿中の毒素が血液中に溜まってしまいます。このため、ダイアライザーで血液中の尿毒素と余分な水分を排出しなければなりません。1回の透析で排出する水分量が、3リッターを超えると体への負担が大きくなります。透析患者さんはは、透析前の水分摂取比べて摂取量が極端に少なくなり大変苦労するそうです。
 透析に入ると、ミネラルの摂取制限もきつくなり、厳しい自己管理が求められます。
2 腎臓移植をすれば本当に腎臓病から解放される?
 腎臓病患者さんの多くは腎臓移植を希望されています。確かに透析よりも腎臓移植の方が体の負担は軽くなります。しかし、腎臓移植にも様々な課題があるそうです。
 まず、移植された腎臓は他人のものですから、親からもらった自分の腎臓のように体にはなじみません。移植された腎臓の管理のために、定期的に病院に通い大量の免疫抑制剤の投与を受けることになります。また、生来の腎臓の壊れた体内環境は変わっていないため、移植された腎臓も同じように壊れていきます。このため、移植された腎臓もいつかは寿命が尽きてしまいます。人によって異なりますが5年から10年と言われています。寿命が尽きると再度透析をすることになります。
3 親から授かった腎臓を大切にしましょう
 透析も腎臓移植も様々な課題があり、完璧な治療ではないようです。今ある腎臓を大切にしていきましょう。


【参加された方の感想】

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