第102回 健康セミナー(新宿)
日 時 2016年2月27日(土曜日)13:30~16:30
会 場 新宿エルタワー サンスカイルーム
首都圏への人口集中は止まらない・・なるほど
何度行っても東京はすごい。会場として選んだ新宿エルタワーは30階建てで、入居している企業は、野村證券、三菱東京UFJ銀行など一部上場企業だけでも20社を超える。ビルの管理者?に聞くと、これらの企業の社員とビル利用者の数は、1日に5.000人を超えるそうだ。佐久間ダムのある旧佐久間町(現浜松市)の人口が約5.000人。ビル1つに佐久間町民全員が入ってしまう計算になる。人口だけに限ると、新宿駅周辺のビル群には、破産寸前の市町村が幾つあることになるだろう。地方が滅ぶわけだ。
総務省によれば、東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県への流入人口は、昨年1年間で合計50万人を超えたという。1年で、首都圏に宇都宮市が新しく生まれたことになる。
X線映像に映った腎臓の姿
今回のセミナーでは、コンピュータ断層撮影映像(ct検査)に映された腎臓の姿が話題になりました。この映真はX線を利用した白黒映像で、造影剤の入った血管を白く映し出すもので、それ以外のものは黒く画像処理する仕組みになっています。
講師から示された映像には、本来2つあるべき腎臓のうち、左側の腎臓の姿はなく、腎臓のあるべき部分には白い血管がまばらに浮かんでいました。それに対して右側には、網の目のように張り巡らされた血管が白く映し出され、元気な腎臓の姿がくっきり映っていました。
腎機能と腎動脈の太さとの相関
更に注意深く眺めると、左の腎臓の腎動脈は消えるように細く、それに引き換え、腎臓の姿が白くくっきり映っている右の腎臓の腎動脈は太くたくましい。腎動脈の太さに、左右の腎臓の働き具合が如実に反映されており、血流と腎臓の元気度との関係がよく分かりました。左半分の腎臓が衰え、右半分しか機能していないこの映像の腎臓は、クレアチニン値0.71、eGFRは60、腎不全の診断を受ける直前の姿です。この写真は、ある女性(仮にAさんとしましょう)が高血圧に悩み、どこに血管の狭窄があるかを調べようとして、全身の血管を撮影したものの一部だそうです。この女性は、主治医に「まだ大丈夫」と言われたが、半分しかない自分の腎臓の姿に驚いてクリニックにやってきたのです。
この写真を見て2つのことに注目してみました
(1)腎臓病は循環器系の臓器の疾患によって引き起こされる
AさんがX線写真を撮ったのは、血圧が高く血管狭窄の様子を調べるためでした。Aさんのように腎臓病を患っている人の中には、ステントを装着していたり、ペースメーカーを埋め込んでいる人がたくさんおります。このような方々は、病気の重症度はまちまちですが、高血圧を始めとして心筋梗塞や脳梗塞、狭心症や血栓症、血管硬化症や動脈瘤など死に直結する怖い病気を持っています。特に、この傾向は糖尿病性腎症の人に多くなっています。
一般的に、腎臓病と言えば腎臓そのものが壊れて発症すると考えがちですが、内臓トレーニング協会が、内臓トレーニング実践者475人を調べたところ、循環器系の臓器に問題を抱えている人が約90%に達しました。この結果から、循環器系の臓器の疾患により腎臓病が発症している人が多いことが解りました。
(2)造影剤は腎臓病を悪化させる
血栓や狭窄症などの血管の治療に造影剤は欠かせません。しかし、循環器系に課題を抱えている腎臓病患者さんですが、Aさん以外に腎臓のX線写真を持参された方は一人もいません。その理由は、お医者さんたちが、腎臓の血管に造影剤を入れると一気にクレアチニンの数値が跳ね上がることを心配するからです。お医者さんたちが造影剤を使用するのは、クレアチニン値が1.3までの患者さんに対してだそうです。ただし、命に関わる治療の場合は、1.3の数値にこだわりません。腎臓病には透析という治療があるからです。
(3)造影剤の使用はクレアチニン値1.3が限界
循環器系の病気は死に直結する病気が多く、しかも、治療に当たっては必ず造影剤を使用することになります。造影剤で腎臓病を進行させないためには、クレアチニンの数値が1.4になる前に循環器系の病気の治療を済ませておきたいものです。クレアチニンの数値を高くしないためには、できるだけ早期に内臓トレーニングに取り組み、数値の上昇を抑えることをお勧めします。
【参加された方の感想】
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