第107回 東京セミナー報告「自律神経失調症」

第107回 健康セミナー(八重洲)
日 時  2016年8月27日(土)13:30~16:30
会 場  あすか会議室  東京駅前八重洲口

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 セミナーでは、クレアチニン値を下げるためには自律神経の活性化が大切だ、と講師が力説していました。今回は、内臓トレーニングを実践するとなぜ自律神経が活性化するか、その理由についてご説明いたしましょう。

 

自律神経失調症患者は増加の一途

 顔が火照る、足が冷える、不眠症、めまい、肩こりや頭痛など、誰もが日常的に感ずる不快感は、自律神経の働きが不調であることが原因といえます。自律神経の不調がさらに深刻になると心を病んでうつ病にまで発展することもあります。このような自律神経の不調を原因とする体調不良を総称して自律神経失調症と呼びます。医師から自律神経失調症と診断された患者さんの数は、60万とも70万人とも言われます。

 

腎臓病患者さんも自律神経失調症を持っている

 静岡の健康教室では、腎臓病患者さんの自律神経の働き具合を測っています。その結果を見ると、腎臓病患者さんは自律神経の活動が極端に低く、基準値に入る人はほとんどおりません。さらに詳しく見ると、年齢に関係なく、クレアチニンの数値が小さい人よりも大きい人の方が自律神経の活動が弱っています。この結果から、腎臓病の患者さんは、合併症として自律神経失調症でもあるということが分かりました。

 

自律神経失調症治療の決定打はない

 自律神経失調症の治療について概観してみましょう。医師による薬物療法、カウンセリングによる心理療法、香をたいたり音楽を聴いたりして、五感を癒す治療、さらに指圧や鍼灸・整体などの理学療法など様々な治療法が浮かびます。この他にも、運動療法や身体的・精神的ストレスを解消するための食事療法。規則正しい生活を送るような指導も行われます。しかし、このような様々な治療がなされるということは、見方を変えると、どの治療法も自律神経失調症治療の決定打となっていないことを表しています。

 

内臓トレーニング実践者は自律神経失調症の症状を改善している

 そんな中で、内臓トレーニング実践者は、多くの人が実践開始から3ヶ月くらいの間に冷え性、めまい、不眠症、便秘、偏頭痛などの症状を解消しています。更に、本来薬でコントロールしている高血圧の解消や、手術を必要とする下肢静脈瘤などの症状も改善しています。
 内臓トレーニングでこのような成果が出るのは、故田坂定高医学博士の著書「低周波脊髄・頭部通電療法」の「自律神経症状に対する通電効果」の章(136~158ページ)を参考にして行っているからです。田坂先生は、この章で、頭部に低周波を通電し上記の様々な症状の改善に成功しました。その上、「皮膚の乾燥萎縮・つめ及び発毛状態などの改善が起こる」とか、感情が豊かになったり、健忘症が解消したり、計算能力や判断能力が改善されたといい、最後に、「本通電は、脳実質に直接作用し、その結果諸精神症状が改善したと考えたい症例も少なくない」と結び、15人の改善例を報告しています。田坂先生は、脳に直接電流を流して物理的に脳の改善を図っていますが、内臓トレーニングは自宅で行うことを考慮して、血流改善によって同等の効果をあげています。

 

自律神経の活性化は血流改善から

 自律神経も細胞から形成されています。細胞に新鮮な空気と豊富な栄養を供給すれば細胞が元気になり、自律神経の活動が活発化し、上記のような様々な症状が改善されます。
 それには、血流の活性化が前提となります。内臓トレーニングを実践して、血流改善を図り、ひいては自律神経の活性化を図りましょう。

 

【参加された方の感想】

これまで、腎臓に関する知識が殆どなく参考になることがたくさんありました。初めて聞く言葉や数値、数式が次々に飛び出し、多少ぼけてきたわたしには消化不良をおこしていました。もうすこし論点を絞って話されると良いと思いました。腎臓病を治せるのは私たちだけ。治療方法はこれしかない。これまでに何人の方が挑戦し、成功率は何%だとか。近いうちに、静岡にお邪魔したいと思っています。

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