6月16、17日開催 福岡・広島セミナー報告 造影剤を使うなら透析を覚悟せざるをえない

◇第130回 福岡セミナー
1 期日  2018年6月16日(土) 13:30~16:30
2 会場 TKP博多駅筑紫口ビジネスセンター

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◇第131回 広島セミナー
1 期日  2018年6月17日(日) 13:30~16:30
2 会場 TKPガーデンシティPREMIUM広島駅

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はじめに

内臓トレーニング協会に下記のような質問が寄せられました。
Aさん(男性・70歳)は、数年前に腎臓病と診断されて、現在のクレアチニンの数値が1.65だそうです。この度、胸部に動脈瘤が見つかり透析の話が出てきました。Crが1.65と低いのに、手術をすると透析になってしまうというのです。その原因が造影剤にあるというのです。
腎臓病と造影剤の関係について述べてみましょう。

クレアチニン1.65なのに透析?

質問の要旨は、「クレアチニンが1.65なのに、なぜ透析をしなければならないのですか?」というものでした。以下が Aさんからの手紙の要旨です。
 「私は、長年糖尿病を患ってきました。今年の8月に市の定期健康診断で、クレアチニンの数値が1.65でeGFRが32.5という数値が出ました。医師からは、新たに腎臓病も併発しているとのことでした。しばらくして、狭心症の発作が起こったことにより、胸部に動脈瘤があることもわかりました。
その際、主治医から「念のために映像を撮りたいので、透析を覚悟してください」といわれました。「え、透析?クレアチニンはまだ1.65なのに・・・」。
この数値でなぜ透析になるのかご教示ください」

動脈瘤の治療は難しい

 動脈瘤治療に当たっては、発症原因が、瘤が動脈硬化によるものか、血管壁の炎症によるものか、その形や大きさ、更に破裂する危険度など、こぶの状況を詳しく調べる必要があります。
しかも、動脈瘤の破裂が死に直結しているため、全ての治療に検査を優先的に行わなければなりません。そのとき使用する薬品が造影剤です。

造影剤とは

 造影剤とは、体内の様子を映像にとり、視覚的に検査したり診断したりするための薬剤です。撮影する対象や、体内に注入する手段別に様々な種類があります。
一般的な造影剤としては、レントゲン撮影のときに飲む硫酸バリウムが有名です。その他、CTで使うヨード造影剤や、MRIではガドリニウム製剤などがあります。なお、MRIのように多機能な検査機器では、撮影する対象毎に造影剤を使い分けているのが普通です。
バリウムは口から直接飲み込みますが、CTやMRIの場合は静脈に注射します。副作用はほとんどありませんが、アレルギー体質の人は蕁麻疹、頭痛、悪心などを感じる人もいます。
 冒頭に質問してきたAさんの場合は、太ももや腕の静脈に針を刺し、そこからカテーテルで造影剤を注入し、血管の形状や血流状態をチェックしたものと思われます。

造影剤と腎臓病の関係

血管の姿を撮影する血管造影検査法では、よくヨード造影剤が使われます。血管に注入された造影剤は一般的に24時間かけて腎臓でろ過され、尿として体外に排出されます。
このため、腎臓の血管に薬が充満して血流が滞ってしまい、腎臓のろ過機能がうまく働きません。その上、腎臓は造影剤も排出しなければならないので、過重な負担がかかってしまいます。
このため、「腎臓障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2012」では、eGFRの数値が45以下、クレアチニン値に換算すると60歳の男子なら1.30以上の数値の人にはヨード造影剤の使用を控えるよう指導がなされています。
もし、この数値より悪化した人に造影剤を使用する場合は、腎臓の急激な悪化を覚悟するよう患者さんに伝えるよう指導しています。Aさんは70歳でCrが1.65ですとeGFRは34前後度考えられるので、医師から透析の話が出たのではないでしょうか。

まとめ

 Aさんのように、腎臓病患者の多くは腎臓病ばかりでなく、多くの病気を併発しています。しかも、腎臓病患者の場合、併発する病気は循環器系が多く、直接死につながるものばかりです。
もし、Aさんの胸部動脈瘤が破裂寸前であれば、腎臓が壊れても手術をしなければなりません。患者さんが「透析は絶対いやだ」といっても、医師は患者の命を救うために、造影剤を注入せざるを得ません。言い換えれば、クレアチニンが1.30を超えた腎臓病患者は、常に透析を覚悟していなければならないということになります。
 腎臓病患者さんは、病気の初期段階から、血流改善に努め、自分で腎臓病の治療をしていくことが大切といえましょう。

 

 
 
 

【参加された方の感想】

≪福岡セミナー≫

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≪広島セミナー≫

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≪福岡セミナー≫

◆お名前 : 岩脇 様
6月16日福岡講演に参加して多くのものを得ることが出来ました。
千村様に声を掛けて頂き、協会との距離が一気に近くなり、胸襟を開き気軽に相談できる存在として頼もしく思うと同時に、何より妻の事への心配りに感謝するばかりです。
治療の方向性として間違っていないことを確認でき、また食事の重要性を再確認し、改善点が明確になりました。病院(主治医)との付き合い方が分かりました。
今後のトレーニングが更に充実することを確信。

 

◆お名前 : 佐野 様
セミナーに参加して良かったです。いろいろと勉強になりました。
我流に腎臓の臓器の仕組みを、専門書を取り寄せて詳しく勉強をしてはいました。頭では腎臓病の恐ろしさを分かっていましたが、なぜか食事療法は必死にはしていませんでした。3年前の定期健診の時(クレアチニンが1.4から1.5に上がった時)に腎臓内科の先生から、「このままでいくと加齢に従って透析状態になります!計算すると80歳ごろには透析になります!食事に気をつけなさい!」と言われて目が覚めました。
「食事に気をつけなさい!」と言っても詳しくは教えてくれず、PCで腎臓食の専門書を取り寄せ、一日30g以内を摂取して、尿素窒素を正常に戻す努力をしました。砂糖類以外のありとあらゆる食品にタンパク質が含まれていました。計算して食べていました。数週間すると大体のタンパク質含有量を覚えられました。刺身15g(一切れ)がタンパク質3gとか・・・です。クレアチニンは1.34から1.4の間を上がったり下がったりしています。しかし、それ以上下がらず焦ってはいました。美味しくない低たんぱく米を食べ、大好きなパンは低たんぱくやでんぷん粉で焼いたりして食べていましたが、あまりにも不味くて鬱になり、食欲も無く、友人達とのランチも止めました。

何とか踏ん張って食事療法をしてこれたのは、母が透析で苦しんでいる姿を見てきたからです。72歳から透析を始めた母は透析日ほとんど動くことができず、一年後には寝たきりになり、とうとう透析病院に入院して透析を受けるようになり、80歳の時に腹膜内に大出血して、誰にも看取られずに命が終わりました。何の楽しみもない寝たきり状態で、誤嚥性肺炎も繰り返すので、鼻からチュウブでどろどろの液体の食事をし、認知症になり、娘の私のことも分からなくなりました。思い出すと「辛かったね~お母さん」と今でも涙が出てきます。母の腕の凸凹の注射跡や死んだような真っ白い顔、寝たきりの自由のない母の壮絶体験を見ているからこそ、「絶対に透析にはならない!」と覚悟できていますが、時に何でも食べたいという誘惑にかられます。
今回セミナーに出席した理由は、頑張っている皆さんの姿を拝見して私も頑張ろうと思ったのですが、少し内容が違っていたようです。腎臓の仕事や仕組みは殆ど知っていたので、“食事療法を楽しくできる方法”とか、“同たんぱく質でも効率の良いのはこのような食品です”。。。などの話も聞きたかったです。

内臓トレーニングの設定の仕方も分かって良かったです。
今まで、トレーニング後に足がパンパンにカチカチになって太くなっていた理由が解って良かったです。クレアチニンの上下で一喜一憂しない意味も分かりました。それよりも尿素窒素の値が極めて重要であることも分かってよかったです。今は上限の20くらいです。尿素窒素と尿酸が尿でしか排出されないことを聞いた時に、初めて掛かりつけの先生の言葉が解りました。「水分を取りなさいよ!」と毎回言われていた理由が解り、セミナーに行って良かったと思いました。
ありがとうございました。

 

◆お名前 : 矢野 様
1.悩み:creが少しずつ上昇していて、現在1.2~1.3です。
2.望月先生のお話が明快で良く理解できました。分かりやすかったです。
3.私の現状での食事上の注意すべき要点が知りたいです。
4.私の周囲に腎臓専門医がいらっしゃいませんので、まずは疑問や不安をサポートしていただけることが有難いと思っております。
5.集会などで紹介いたしたいと思います。

 

◆お名前 : 匿名希望
とても参考になりました。
トレーニングに必要な機器が高額なので、躊躇しています。
まず、オムロンの低周波医療機器を試行始めました。この効果を2ヵ月程続けてから考えたいと思います。

 

◆お名前 : 平島 様
4年前に腎臓癌で右側の腎臓を摘出しました。
クレアチニンは3.8ありましたが、食事に気をつけて来たおかげで、現在は2.1まで下がりました。
透析だけは避けたいと思い、セミナーに参加しました。
とても参考になりました。気を緩めることなく、さらに数値を下げる努力をして行きたいと思います。
ありがとうございました。

 

 

≪広島セミナー≫

◆お名前 : 匿名希望
内臓トレーニング協会 様
早いもので広島セミナーを受講して、一週間が経過しました。
返信が遅くなりましたこと、お詫びいたします。
さて、今回のセミナーは、私にとってこれからの健康寿命を、左右する重要なセミナーになるものと考えます。
私は今、3ヶ月ごとの腎臓専門医の検診を受けていますが、初診の’12.10のCREが2.3で、’17.4が2.9と、ずっと2台で推移していました。ところが’17.6に3.2となり、’18.3の数値は3.8で、eGFRは13と急速に悪化しています。ちなみにBUNは56。UAは5.2です。何とかしなければと、危機感を感じていたところでした。
参加してみて驚いたことに、クレアチニン値は下がるという望月講師のお話で、「本当かなー」と半信半疑でした。途中休憩で廣岡先生の2冊の本を買い求め、それから2日間で読み込みました。内臓トレーニング療法は、私が現在治療を受けている広島県の中核病院での腎臓専門医治療を、根底で支えるベーシック医療ではないかと考えています。
このメールで恐縮ですが、「健康教室」の申し込みを致します。
以上

 

◆お名前 : 匿名希望
1.協会の説明とトレーニングの本等を読んでいたので、特に不安はありませんでしたが、参加者の多さにはびっくりしました。
2.家内も「今まで断片的に理解していた内容をよく理解できたようで有意義だった。」と言っています。
3.焦らず気長にトレーニングしようと思います。
4.よく理解できました。
5.困っている人が居たら、是非紹介しようと思います。
今後とも宜しくお願いいたします。

 

◆お名前 : 匿名希望
今回の「健康セミナー」に参加して思うことは、いろんな症状をお持ちの対象者の実践結果を見て、大変感動しました。低周波治療を今以上に頑張って行えば、「私も治るんじゃないか」と大きな期待が持てました。有り難うございました。
内臓トレーニングのことは分かったつもりでしたが、当セミナーで再確認が出来たようです。
ただフットスキッパーの「モード」と「通電ポイント」の数値が今のままでいいのかが、少し不安です。
今後、間違っていた(食事)療法を修正し、スタッフの方々と連携を取らせていただきながら、少しずつ腎臓を回復して行きたいと思っています。
今後ともよろしくお願いします。

 

◆お名前 : 安永 様
1.通院中(糖尿病、高血圧、心不全)の中で薬が増加傾向です。医師から「腎臓に気を付けてください。透析になると大変ですから。」と注意されています。どう治療すればいいなかわからないし、不安な日々です。
2.セミナーに参加して第一に思った事は「腎臓って大変な役目をこなす臓器なんだ。こりゃ医者任せにしといたら駄目だ。自分で出来る事を一つでも二つでもせにゃいけん。」
3.お金はかかるが自分には役に立つと思うので、実践してみたいと思っていますが、静岡は遠方なので、①~③のコース選別と費用対策に思案中です。「早く行動を・・・」望月さんが言われたことが気になって思案中です。
4.他人様にも同様な悩み事があれば、セミナー参加をお勧めします。

 

◆お名前 : 匿名希望
夫の代わりに出席しました。私は内臓トレーニングについて理解したと思います。
夫はクレアチニン値1.44で、最近の症状として足の浮腫みに悩まされています。
利尿剤のみの治療だけではダメと思っていたので、第二の心臓の大切さを理解しました。
けれど本人はそこまでお金をかけるということに反対しています。

 

◆お名前 : 平西 様
現在、透析を週3回受けています。
内臓トレーニングを受けて延命を考えていたのですが、間に合いませんでした。
今回出席してトレーニングを行った人がおられ、改善されている事例を聞きまして、関心が高まりました。
再度、資料その他をメールにて送って頂ければと思います。