12月7日開催 池袋セミナー報告 腎臓病患者にとって本当の治療とは

◇第145回 池袋セミナー 
1 期日  2019年12月7日(土)13:30~16:30
2 会場  アットビジネスセンター池袋駅前 別館 

腎臓病患者にとって本当の治療とは

慢性腎不全がCKDと呼ばれるようになったわけ
従来、腎機能の低下に伴う病気を慢性腎不全と呼びならわしてきました。ところが近年それを”CKD“と呼ぶようになりました。

名称を変更した理由として、日本腎臓学会は2016年の「生活習慣病からの新規透析導入患者の減少に向けた提言」という冊子の中で、「腎不全患者さんが、脳卒中, 心筋梗塞などの心血管疾患などになる危険性が極めて高いことから,予防啓発に積極的に取組むために・・・」”CKD“と呼ぶようにしたと述べています。

 
現代医療では、発症原因が全身にわたる病気を、各科別に治療する
誤解を恐れずに言えば、現在の腎臓病治療では、透析後に襲ってくる脳卒中や心筋梗塞、狭心症などをするところから治療が始まっているといえましょう。このため、高血圧、心筋梗塞、狭心症などそれぞれの症状毎に研究が進められており、それぞれの科では腎臓病を意識して治療しているとは思われません。

実際、腎臓機能の低下は全身の体調変化によって発症しているにもかかわらず、各科別の治療が行われ、腎臓の機能低下が著しくなって初めて腎臓内科の治療が始まります。

 
腎臓病患者の腎臓の姿はほとんど見たことがない
ところで、心臓や肝臓、胃や肺などのレントゲン写真はよく見かけます。しかし、病気を発症した腎臓の映像はほとんど見られません。それは、レントゲン写真を撮るためには造影剤を使用しなければなりません。ところが、腎臓に投影剤を入れると糸球体に目詰まりが起こり、そのまま透析になってしまう危険性があるからです。

 
腎臓病と診断される直前の映像を見てみると
76歳の女性の、eGFR60.2の腎臓の写真を見る機会がありました。女性でeGFR60.2という数値なら、すでに腎臓病と診断されてもおかしくない数値です。その写真には、右側の腎臓は細胞のほとんどが死滅して、本来の形状の4分の1程度に小さくなった影のような細胞の姿が映っていました。それに対して、左側の腎臓はまだ元気で、多少死滅した細胞があるものの、ほぼ原寸大の大きさを保ち、白く輝いていました。

更に詳しく見ると、右側の腎臓の腎動脈も腎静脈も左側に比べると大変細くなっており、腎臓への血液の供給が滞っていることがよくわかります。この状態を放置しておけばやがてはこの腎臓は死滅し、左側の心臓だけで血液浄化をしなければならなくなるでしょう。左側だけで浄化を行うことになれば、本来の2倍の仕事をすることになり、急速に腎機能が低下することになります。

 ちなみに、透析になると、腎臓に代わってダイアライザーが血液浄化を行うため、患者の腎臓は完全に死滅し、梅干ほどの大きさになって体内に放置されるそうです。

 
透析にならないためには、壊れていく腎臓をふたたび元気にさせたい
この写真を見ると、腎臓につながる血管が細くなっているため、腎臓の細胞に酸素と栄養が届かなくなり、血管も細胞も徐々に死んでいき、最後は透析に入らざるをえなくなります。
透析にならないためには、細くなった血管をもとに戻し、酸素と栄養を細胞に届けて細胞の働きを活性化すればよいのではないでしょうか。

腎臓病患者にとっては、やがて襲ってくる高血圧や心筋梗塞脳梗塞の予防も大事ですが、喫緊の課題として、現在壊れつつある腎臓を修復したいのではないでしょうか。腎臓が再度元気になれば、心筋梗塞や脳梗塞にならなくて済むからです。

 
まとめ
現代の医療における腎臓病治療とは、透析の行き着く先の心筋梗塞や脳梗塞の治療が先行しており、しかも、完全な治療法は完成していません。ですから、現在の腎臓病治療は、透析に至るまでの体調管理をし、透析に適切な時期を見極めて透析手術を行い、透析予後の管理を行っています。要するに、腎臓病を治すことはできないことを前提にして治療を行っているのです。これでは、透析回避を願う透析前の患者さんにとって救いはありません。

透析前の患者さんは、今壊れつつある腎臓そのものを元気にさせる治療を行って欲しいのではないでしょうか。このような発想による治療はまだ緒に就いたばかりです。
このような時代背景を鑑みて、(一社)内臓トレーニング協会では、壊れつつある腎臓の回復を図るために「内臓トレーニング」という健康法を確立し、特許を取得しました。

 今回のセミナーでは、腎臓病患者さんにとって本当の腎臓病治療とは何か、そして、その治療を自らの力で実施する具体的な方法を紹介しました。

【参加された方の感想】





◆お名前 : 松崎 様
有り難うございました。
シャントを造り、あとは尿素窒素の数値が70以上になると、感染症になると直ぐに透析と言われており、透析を一日でも先に伸ばせるものならとセミナーに参加させて頂きました。

夫も(腎不全)妻の私も勉強が足りなくここまで来てしまい、先生のお話を聞き納得する事ばかりでした。Drは、確かに薬を出される事と透析のお話しだけです。今日のセミナーで学んだ事を励みにやって行きます。知人のお父様も透析になることをお話しされていましたので、早速教えて上げます。

本人が一番気落ちしていましたが内臓トレーニング教会を知り、親切丁寧に教えて頂き感謝しております。
健康教室にも参加したいと思っております。

 

◆お名前 : 傳田 様
1.現状クレアチニン1.5前後で推移しているものの服薬、塩分制限、血圧管理、体重管理で今後加齢に伴う腎機能劣化を防げられるのか疑問でした。

2.今回初参加にも係らず所用で途中からの拝聴となりましたが講師先生のお話しには共鳴する点が在り出来れば再度受講したいと考えております。

3.透析にならない為の自己努力の指針と情報獲得の手段。

4.貴協会刊行書籍1、2を拝読させて戴いてる最中です。

5.同疾病で悩む身近な仲間が出来れば参考にと考えます。

以上

 

◆お名前 : 匿名希望 様
腎臓病健康セミナーさせていただきありがとうございました。
〇〇総合病院で年初胃がんの手術を受け3/4摘出しました。術後の2度目の経過観察診断で、歳(80歳)の所為もあるかもしれないが、腎臓機能が低下していますねと、指摘されました。

ckdもcreも全く知らない自分にとって、今は情報収集中です。現在の感想は、恐ろしい病気だなという印象を持ちました。今後ともよろしくお願いします。

 

◆お名前 : 匿名希望 様
セミナーに参加し、大変有意義な講義をして頂き、感謝しています。
体系だった講義はよく理解できました。

基本的に、自分の体は自分で治す意思を強く持つことが重要だと思いました。
小生は、糖尿病も抱えており、正反対の食事療法なども関係しており糖尿と、腎臓との関係をもう少し説明していただければ良かったと感じています。

 

◆お名前 : 匿名希望 様
検査数値にはハッキリとは出ていない状態ですが、症状として足の裏が痛いのが気がかりです。
実際にどんな事に気を付けていけばいいのか?漠然としていましたのが、検査数値の何を見ればよいのかが、ハッキリとわかりました。

まだまだ食事の何を気をつければいいのか、具体的にはわからないので、健康教室に行ってみようかなとも思うのですが。決心がつかないのです。