6月8日開催 さいたまセミナー報告 

◇第141回 さいたまセミナー 
1 期日  2019年6月8日(土)13:30~16:30
2 会場  ソニックシティ 603 会議室

 
1 薬はなぜ年々増えるのか
来静した内臓トレーニング実践者のAさんは、1日に66錠の薬を処方されていました。
クレアチニンの数値が上がるにつれて、数年前から薬が徐々に増えて、とうとう66錠になってしまったと嘆いていました。
ある時、薬の山を目の前にして看護師さんに「いくらなんでも多すぎる。
何とかならないか」と相談したところ、「先生から、処方された薬は全部のませるように指導されています。飲みきってください」との返事だったそうです。
以後、相談もできず、全部飲みきるよう頑張ってきたそうです。
しかし、66錠となってはさすがに飲みきれず、自分で勝手に判断して必要と思われるものだけを飲み、残りは隠れて捨ているといっていました。

 
2 何とかして薬の量を減らしたい
健康教室では、内臓トレーニングを体験するだけではなく、病気や食事など腎臓病患者さんの悩みを聞く機会を設けています。
そこで、Aさんの悩みである薬についてAさんと一緒に考えてみました。
持参したお薬手帳を開き66錠の中身を検証してみると、いくつかの発見がありました。

 
腎臓の老化は60歳ごろから始まる
一般的に、腎機能が正常のときの30%以下になると慢性腎不全と診断されます。
男性の場合は60歳ごろから慢性腎臓病を発症し、病気の進行に伴い80歳ぐらい、丈夫な人でも90歳前後には腎臓の寿命が尽きるといわれています。
例外的に100歳を超える人もいますが。
日本透析医学会によると2016年の透析導入患者の平均年齢は69.4歳となっています。

ア 高尿酸血症の薬が2種類出ていた
高尿酸血症を防ぐための薬には、服用目的によって様々なものがあります。
尿酸とはプリン体という物質の燃えカスです。
プリン体は、私たちが運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギーで、生活上欠かすことはできません。
このため、ある程度までは体内で作られていますが、不足分は食事で補わなければなりません。
成人男性の場合、体内で産生される量は、700mgであり、排泄量も700mgとなっています。
しかし、体調によってプリン体の生産量や排泄量は多かったり少なくなったりします。
プリン体が必要以上に多くなると高尿酸血症になってしまいます。
高尿酸血症を防ぐには、体内に尿酸を過剰に溜め込まないことが大切です。
そこで、製薬会社は、プリン体の排泄量が少ないなら生産量を押さえる薬、排泄量が多いなら生産量を増やす薬、両者のバランスをとる薬と3種類の薬を用意しています。
お医者さんは、常に患者さんの体調に合わせて適切な薬を処方しています。
ですから、患者さんの体調が変化すると、その変化に合わせて新しい薬を処方します。
ところが、薬を変更したにもかかわらず、前に処方した薬も合わせて2種類の薬を処方してしまうことがママあります。
Aさんの場合はそんなケースだったのかもしれません。
いずれにしても高尿酸血症の薬が2種類出ていることについて主治医に相談してみることを提案しました。

イ 血液検査の数値が、基準値に入っているのに処方されている薬がある
やはり内臓トレーニング実践者Bさんの血液検査表をみると、尿素窒素17.5mg/dl、尿酸値5.2mg/dlで、両方とも基準値に入っていました。
ところが、お薬手帳には、尿素窒素を下げる薬と痛風の薬の両方が処方されていました。
内臓トレーニングを実践していると、尿素窒素も尿酸もトレーニングの効果で必ず数値が下がってきます。
ところが、主治医は、Bさんの顔色や肌のつやなど体調の変化に気付かないためか、数値の変化にも気付かず、今までどおり薬を処方していたのです。
大勢の患者さんを3分・5分で診断しなければならない医師にとって、この数値の変化に気付かなかったことは止むを得ないでしょう。
このように、基準値に入ったにもかかわらず薬が出ている場合は、患者のほうから「体調の変化により数値が基準値に戻ったので、必要となるまで中止できないでしょうか」と、Bさんには主治医に相談してみることを提案しました。

 
3 過剰な薬の服用は腎臓の負担を大きくし、病気の進行を早める
薬には必ず副作用があり、服用することによって便秘や下痢、吐き気や倦怠感など様々な副作用が出てきますし、腎臓に負担をかけることになります。
内臓トレーニングを実践すると、必ず自律神経のバランスが良くなり、血流がよくなって不快な症状が改善していきます。
闘病生活では辛いことばかりに目が行きがちですが、体の変化や数値の変化を楽しみにして、常に血液検査表とお薬手帳を見ながら、少しでも薬の量を減らすよう研究してみましょう。

  

【参加された方の感想】





内臓トレーニング協会 御中
こんにちは。
セミナーではお世話になり有難うございました。
クレアチニンについて少し分かりました。
今後購入した本を参考にして腎臓病を学んでいきたいと存じます。
明日は近くの内科で栄養相談が有ります。
大宮駅の利用は初めてでした。
利用する路線まで教えて頂き感謝でざいました。
望月先生はじめ皆様のご健康と今後のお仕事のうえに神様の豊かな恵みが有りますようお祈り申し上げます。
                   
                                  ○○ ○

 

◆お名前 : 匿名希望 様
ありがとうございました。
大変参考となりました。
私の場合、抗がん剤の影響により、クレアチニン数値が一時1.9まで上がり、その後適度な運動、食事療法で現在1.45まで下がってはおりますが、悪くなるときは一気に悪くなるとも医者から言われており、心配しております。
今後悪くなるようであれば、内臓トレーニングに参加できればと考えております。
宜しくお願い致します。

 
 

◆お名前 : 飯塚 様
いろいろな情報を提供いただきありがとうございました。
とても参考になりました。
内容が豊富すぎて十分理解できていない気がしました。
また機会あったら参加したいと思います。
お医者さんと考え方の前提が違うということが良くわかりました。
自分で何とかするしかないと決意を新たにした次第です。

 
 

こんにちは。
○○です。
先日は遠いところ、大変お疲れさまでした。

私は、内臓トレーニング実践者ですので、初めての人の邪魔にならない様に、講義室の後ろの方に、目立たない所に席をとる積りで、時刻を見計らって入室したのですが・・・
あに図らんや最前列の席に案内され、戸惑っている時、突然、望月先生と坂本様がお見えになり、ビックリしてご挨拶もそこそこになってしまい、申し訳ございませんでした。
まさか坂本様がご一緒とは予期しておりませんので、本当にビックリしました。
せっかくの機会なので、講義終了後、お話をしたかったのですが、内臓トレーニング未実践の初めての受講者との話し合いを優先すべきと考え、帰りのご挨拶もせずに失礼いたしました。
講義を受け、云うまでもなく改めて知り得たことが多く、感謝したおります。
有難うございました。
望月先生によろしくお伝え頂ければ幸いです。
○○ ○○