体重増加により喘息リスクが増大
過体重および肥満の人は、標準体重の人に比べて喘息を発症しやすいことが明らかにされ、医学誌「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」4月号に掲載された。研究グループは、喘息管理に取り組む上で、適正な体重管理を重視していく必要があると述べている。
米国立衛生研究所(NIH)によると、喘息は気道の炎症および狭窄を伴う慢性疾患で、治癒は難しいが、管理が可能であることが多い。反復性の喘鳴(ぜんめい)、咳(せき)、アレルギーを起こしやすいなどの症状があり、米国での罹患者数は、小児患者900万人を含め約2,000万人といわれる。最近の調査によれば、米国人の65%は肥満または過体重であるとされ、喘息と肥満との関連性も従来の研究で示されていた。
今回の研究で、米国立ユダヤ医療研究センター(デンバー)のE. Rand Sutherland博士らは、1966〜2006年に米国、カナダ、ヨーロッパで計33万3,000人以上を対象にBMI(肥満指数)と喘息について調べた7研究のデータを検討した。レビューにあたり、BMI25未満を「標準体重」、25〜29を「過体重」、30以上を「肥満」とする標準的な尺度を採用した。その結果、BMIが25以上の人は喘息発症率が50%高く、体重が増えるに従ってリスクも増大することが判明したという。この結果に男女差は認められなかった。
研究グループは、この知見に基づき、過体重が危険因子(リスクファクター)となる疾患の1つに喘息を追加する必要があるとしている。肥満ないし過体重者の人口を考えると、喘息リスクをもつ米国人はこれまで考えられていたよりも数百万人は多いことになるが、一方で「大幅な減量」により喘息患者を年間25万人は減らせる可能性もあるという。しかし、過体重により、疾患がなくても肺容量の低下や胸壁の拘束が引き起こされるため、呼吸器症状があっても必ずしも喘息とは限らないと専門家は述べている。
別の専門家は、これまでの研究では男女差について明らかにされていなかったことを挙げ、この点で今回の研究は興味深いと述べている。因果関係を明らかにするのは難しく、肥満が実際に喘息の原因となるのか、以前からあった未診断の喘息が肥満によって増悪するのかは不明だが、肥満が重度の喘息の危険因子であることは間違いないとしている。
原文
[2007年4月5日/HealthDay News]