12月5日開催 池袋セミナー報告 「体内のクスリ」が正常に戻ったとき病気は完治する

◇第27回 池袋セミナー 
1 期日  2020年12月5日(土)13:30~16:30
2 会場  アットビジネスセンター池袋駅前 別館901 号室

はじめに
 講師は、腎臓病を治すには、「日々の生活習慣を改善して体内に潜む自然治癒力を高める以外にない」と説いています。
聞けば当たり前のことと聞き流してしまいがちです。
 しかし、腎臓病患者さんにとって、病院から帰った後の生活の在り方が非常に大切です。
改めて、病気が治る過程と、病院から帰った後の日常生活で何をしたらよいか考えてみましょう。

1 薬を服用する目的
 くすりは、あくまでも人間がみずからの力で病気やけがを治(なお)すための助けとなるもの。
くすりを上手に用いることで、私たちがもっている自然治癒力を回復させることが本来の目的です。

2 自然治癒力とは
 人間が健康に生きるために体内に備わっている力のことを言います。
もう少し解体すると、自然治癒力=免疫力+再生力のことです。

3 健康を維持するための生体反応の例
ア 触診:「患部に手を当てているうちに、症状が治(おさ)まる」
イ かぜをひいた時、消化の良いものを食べ、暖かくして寝ていると、治る。
ウ 痛みなどの強いストレスを感じた時、脳下垂体(のうかすいたい)からエンドルフィンという物質が分泌されます。
  このエンドルフィンには、麻薬のモルヒネと同じ効能があり、つまり痛みや不安をやわらげる力がある。
エ ストレスで睡眠不足になった時、睡眠時間を増やすと疲労が回復する。
    
 このように私たちの体の中には様々な薬が備わっています。
私たちの体は様々な状況に応じて常に変化しています。
健康であるためには、体調の変化に合わせて適切な薬が適切な時期に適切な量が分泌されて、常に体内のバランスを取る必要があります。
ですからこのような状態を常に保ち続けることで健康が維持されます。

4 ホメオスタシス(生体反応の異常を正常に戻す力)
 体内のクスリが体の変化に合わせて適切に反応することが健康の証。
しかし、何らかの理由で反応が不調になると病気(病態=異常)になります。
その時、生体が常に健康な状態に戻ろうとする力のことです。

5 体内のクスリ(参考資料:日本製薬工業協会HPより)
  ・エンドルフィン(麻薬で鎮痛効果がある)
  ・ジキタリスと同じような物質(強心薬)・・・内皮細胞から分泌される
  ・一酸化窒素・・・ニトログリセリンと同様に、血管を拡張して血流を促す(狭心症) 
  ・メラトニン・・・体内時計を管理しており、睡眠・覚醒のリズムを整える
  ・セロトニン・・・熟睡できる(睡眠を助ける)
  ・サイトカイン・・体内の異常を察知して正常化の指令を出す
  ・ヒスタミン・・・血管を拡張させる
  まだまだ未発見のものがたくさんあり、製薬会社は新しい「体内のクスリ」を発見しては新薬を作っています。

6 免疫力(抵抗力)
・白血球  菌の侵入を防いだり侵入した菌を退治する免疫細胞

7 病気の治癒とは
  治療:何らかの原因で体内に異常が起こった時、正常に戻すため、薬の助けを借りる
   ↓
  緩解:薬の助けにより異常が小康状態に戻る。
   ↓
  治癒:ホメオスタシスにより、自分の力で異常を克服して正常に戻す

8 治癒を勝ち取るには
 病気は病院へ行って、薬を注射してもらったり渡された薬を自宅で飲んだりすれば、治るというものではありません。
薬はあくまで補助でしかありません。
患者は病院へ行ってお薬を服用すると同時に、自宅でいわゆる健康的な生活を続けることによって自然治癒力を高めて、自分の体内にあるクスリを適切に使える体に戻すことが大切です。
薬を飲んで一時的に病気が治ったとしてもその状態は緩解といい、体内のクスリが動き出さない限り再度発症することになります。
腎臓病患者さんは長い年月をかけて腎臓病になるため、完治するためには病気を発症した期間と同じくらい長い間、健康的な生活を続けることが大切です。
 内臓トレーニング協会は、腎臓病患者さんの望ましい自宅生活の在り方を伝え、実践する支援を行っています。

【参加された方の感想】




◆お名前 : 匿名希望
◆感想・メッセージ : 
セミナー、ありがとうございました。
腎機能低下の原因が分からず、この先どうしたら良いかも分からず、不安な気持ちで受講しました。
不安はもちろんありますが、出来る事から始めてみたいと思いました。

 

◆お名前 : 傅田  様
◆感想・メッセージ : 
自身の直近血液検査報告書を携帯したところ受講後に健康アドバイザーの方からデータの見方を丁寧に教えて戴きました。
講師の先生をはじめ関係者各位様の使命感から生まれる熱意を感じ、次は健康教室を体験してみたいですね。

 

◆お名前 : 苅部  様
◆感想・メッセージ : 
慢性腎臓病の維持改善。
相互の信頼関係が大切だと感じました。
私には、まだ貴協会のスタンスが理解できていない点があるようです。