糖尿病患者の平均死亡年齢

糖尿病の死因調査は71年以来、アンケート方式で定期的に行われており、今回は全国282施設から1万8385人の糖尿病患者の死因と、それぞれにかかわる臨床結果が集計された。
死因の第1位は悪性新生物(がん)の34・1%で、以下、血管障害(糖尿病腎症、虚血性心疾患、脳血管障害)26・8%、感染症(肺炎など)14・3%の順だった。
血管障害の中では、虚血性心疾患(ほとんどが心筋梗塞)が10・2%、脳血管障害(3分の2が脳梗塞)9・8%、糖尿病腎症6・8%だった。
日本人の死因は、がん31・0%、虚血性心疾患7・3%、脳血管障害13・6%、腎臓病1・8%、感染症9・2%となっているが、糖尿病患者では、腎疾患(糖尿病腎症)での死亡が一般人の約3・8倍にも上り、虚血性心疾患と感染症も一般人より多かった。
このことは、糖尿病患者では、血糖、血圧のコントロールが重要であり、脂質異常症(高脂血症)の是正も忘れてはならないことを示している。さらに、糖尿病患者では、免疫力の低下など感染症に対する抵抗力が落ちていることにも注意を払う必要がある。
なお、糖尿病自体が悪化した糖尿病昏睡が1・2%、インスリン注射や経口血糖降下薬が過剰の低血糖昏睡死が0・4%で、比率的には少なかったが、糖尿病患者の日常診療に当たっての警告になっている。
一方、糖尿病患者の平均死亡時年齢は男性68・0歳、女性71・6歳であり、同時期の日本人一般の平均寿命に比べて、それぞれ9・6歳、13・0歳短命という糖尿病専門医にとって非常に残念な結果になっている。
前回(81年~90年)の調査に比べて、男性で1・5歳、女性で3・2歳長生きできたという結果だったが、同時期に日本人一般でも男性1・7歳、女性2・7歳の長生きが認められており、糖尿病患者の治療に関して多くの点で進歩しているにもかかわらず、患者自身の生命予後(長生き)の改善には反映されていないことも明らかになった。糖尿病に関する研究、臨床のなお一層の進歩が必要だ。
日本透析医学会(2005年)の報告書によれば、人工透析患者の48歳の平均余命は15年ですが、これは糖尿病患者⇒人工透析でない人も含めています。
糖尿病患者が腎不全となり、人工透析を開始したら、開始してから半数は5年以内に死にます。つまり、平均余命5年ということです。また、開始してから10年以内にほとんどの患者が死にます。(糖尿病教育より)
余命のカウントダウンに入ったと思って覚悟して下さい。
しかし、余命に関しては、個人差があるのは事実です。こればかりは誰にもわかりませんが、
糖尿病治療と腎臓病治療を放棄したり、生きる希望も持たなければ、確実に死期が早まることも事実です。
最後は、本人の精神力によると思います。
昨年度(1006)の国民健康・栄養調査速報によれば、国内でも糖尿病患者は830万人、予備軍1490万人の計2320万人で、02年度(患者740万人、予備軍880万人の計1620万人)に比べて急増している。
年間380万人以上、合併症で死亡
「世界糖尿病デー」(11月14日)と、関連行事の「東京タワーブルーライトアップイベント」を紹介する。
糖尿病は世界中で増加しており、患者は成人人口の5~6%に当たる2億4600万人もいる病気だ。一般的に死に至る病気という認識は薄いが、年間380万人以上が糖尿病の合併症が原因で死亡している。つまり、世界のどこかで10秒に1人が糖尿病に関連する死を迎えている計算で、エイズによる死亡数とほぼ同数とされる。
そして今後も増え、2025年には3億8000人(07年より64.7%増)に達すると予想されている。特に発展途上国では患者が増えており、各国の経済成長や生活水準の向上、教育改善を阻害している。昨年度の国民健康・栄養調査速報によれば、国内でも糖尿病患者は830万人、予備軍1490万人の計2320万人で、02年度(患者740万人、予備軍880万人の計1620万人)に比べて急増している。
このような状況を踏まえ、国際連合(国連)は、国際糖尿病連合(IDF、加盟約150か国)の要請を受けて、06年12月20日、「糖尿病の全世界的脅威を認知する」決議を加盟192か国の全会一致で可決。併せて、同連合と世界保健機構(WHO)が定めていた11月14日を世界糖尿病デーに指定した。同連合では、「糖尿病との闘いのため団結せよ」というキャッチフレーズと、国連や空を表す「ブルー」、団結を表す「輪」を使ったシンボルマークも作った。
糖尿病治療に使われているインスリンは、カナダ人のフレデリック・バンティングとチャールズ・ベストの両先生が発見したもので、11月14日はバンティング先生の誕生日である。
今年は、第1回の世界糖尿病デーとして、米国のエンパイアーステートビルがブルーにライトアップされたほか、国連ローズ・ガーデンの芝生にブルーサークルが作られたり、ナイアガラの滝やエッフェル塔もライトアップされたりして、世界各地でイベントが行われた。
国内でも、東京タワーがブルーにライトアップされ、私も日本糖尿病学会理事としてブルーサークルのバッチをつけ、ライトアップ会場に駆けつけた。東京タワーの青い光を見つめながら、今後も、糖尿病対策に全力を挙げて取り組もうと心に誓った。
(2007年12月4日 読売新聞)
昨年度の国民健康・栄養調査速報によれば、国内でも糖尿病患者は830万人、予備軍1490万人の計2320万人で、02年度(患者740万人、予備軍880万人の計1620万人)に比べて急増している。
神経障害合併者が47
「糖尿病対策推進会議」が2005年2月に日本医師会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会の3者で設立され、06年1月には「愛知県糖尿病対策推進会議」が発足したことは以前紹介した。今回は昨年度の活動状況を報告する。
〈1〉問診票の有用性の検証
前年度に引き続き、問診票「糖尿病を見逃していませんか?」の結果と、検診結果との関連性について検討を加えている。
〈2〉学術講演会の開催
愛知県医師会館で今年3月、糖尿病対策における開業医のレベルアップを目的に学術講演会を開催。私の講演「糖尿病とフットケア」のほか、山之内国男・山之内糖尿病予防研究所長が「糖尿病はメタボから治そう」、野口俊英・愛知学院大学歯学部教授は「歯周病と糖尿病との関連性」と題してそれぞれ語った。講演会には200人の医師が参加し、活発なディスカッションも行われた。
〈3〉足チェックシートによる実態調査
糖尿病対策会議は昨年度の活動の一つとして、糖尿病患者の足外観異常と、糖尿病神経障害の実態に関する調査を全国的規模で実施し、糖尿病受診患者の約5%にあたる約20万症例の解析を行った。
愛知県の場合、116施設から計747症例を集計した結果、足の症状としては、「足がつる・こむら返りが起こる」(35%)、「足がしびれる」(19%)、「ピリピリする」(17%)が主で、糖尿病の罹病年数が長く、血糖値の高い症例に多く認められた。
足の外観異常では「水虫がある」(32%)、「乾燥」(29%)が多かった。
全国集計では、糖尿病神経障害合併者が約47%おり、糖尿病合併症の恐ろしさが再認識された。
(2008年9月2日 読売新聞)