進行性核上性麻痺 Kさんの悲劇
Kさんは7ヶ月ほど内臓トレーニングを実践した。
最初来たときは、車から降りるのに介助が必要で、歩行は、杖を突き、膝が曲がらず両足を突っ張らせた歩行だった。当然階段は上がれず人の背中にすがって歩いた。言葉は「そ~~~~そうです。」、「は~~~~~はい。」と言う調子だった。
内臓トレーニングを始めてから1ヶ月後には、杖はつくが歩行がスムーズになり、階段も自力で登れるようになった。言葉も「そ~~~~そうです。」が
「そ~そうです。」位まで改善した。
これは奥さんのおかげであった。
この時既に、本人だけでは内臓トレーニングができない状況にあった。
内臓トレーニングでは30分から3時間くらい低周波を体に通電するのだが、Kさんは、病気のせいかじっとしていられないのだ。効果が見えるので奥さんは何とか実践させようとするが、本人は嫌がる。この繰り返しを7ヶ月続けた。
奥さんが言うには、既に独立した子供たちもたまに家に帰ってきたとき、「お父さん良くなってるね。」といって奥さんの労をねぎらっていたという。・・・・・・・・・・ところが、
Kさんの身長は約180センチで、若い頃はスポーツマンで70歳を過ぎても力は強い。それに対して奥さんは160センチに満たず痩せている。このため、奥さんが強制的に内臓トレーニングを実践させようとしても無理だったのだ。しかも、手すりがあるにもかかわらず家の中で転倒を繰り返すようになってしまった。
二人暮らしでは、Kさんの巨体は、もはや奥さんの手に負えなくなってしまった。そこから、最初はデイサービスに通うようになり、その後施設に入ったという。奥さんは、内臓トレーニングで病状の改善をみたので、施設に入ってしまったことを大変残念がっていた。
家族のあり方は、病気の進行にも大きな影響を与えるものだ。