糖尿病とアルツハイマー  影響しあい症状悪化・・・阪大が解明

糖尿病とアルツハイマー病は互いに影響しあって発症を早めたり、症状を悪化させたりすることを、大阪大学の研究チームがマウスの実験で突き止めた。2つの病気を発症したモデルマウスはアルツハイマー病マウスよりも脳血管に炎症がおきやすくなったという。血流が悪くなって認知障害がひどくなった可能性が高いと見ている。論文は米科学アカデミー紀要に16日掲載される。

 2つの病気をめぐっては、糖尿病になるとアルツハイマー病を発症する危険性が2倍以上になることが、国内外の疫学研究から分かっていた。
 阪大の森下隆一教授、里直行准教授、武田未公医師らは糖尿病とアルツハイマー病を発症したマウスを作成した。アルツハイマー病の原因となる脳内のタンパク質「アミロイドβ」の量はアルツハイマー病マウスと同じだったが、アミロイドβの脳血管への沈着が強く起きた。
 糖尿病で増えるタンパク質「RAGE」も、アルツハイマー病マウスの約2倍、脳血管に溜まり炎症も見られた。
 研究チームは、アミロイドβとRAGEが結びつくことで、こうした現象が脳内で起きたと考えている。

 糖尿病は血液中に流出した糖が、血液中の酸素と結びつきヘモグロビンA1cとなって血管の中に滞留する。このヘモグロビンA1cがどろどろ血の正体だ。どろどろ血は体内の特に毛細血管の集中する眼や腎臓などの血管を詰まらせ合併症を発症する。
今回の実験で、糖尿病の人のどろどろ血がアルツハイマーに害を与えるとなると、パーキンソンや多系統萎縮症など、その他の脳関係の病気にも悪影響が出てくる可能性が考えられる。

日本経済新聞 2010.3.16より抜粋