足元ご用心 つめケアが歩く力に 

 足つめの変形などを加齢のためと思い込み、手入れを怠ると、歩けなくなる場合もある。外出が楽しくなる春はもうすぐ。末永く健脚でいるためにも、足のつめのケアを始めてみては。 (飯田克志)
 「足のつめの役割を多くの人が知らない。ちゃんとケアすると、車いすを使っていたお年寄りが、歩けるようになることもある」
 

介護や医療現場で足つめのケアなどを指導するケアメディカルフットケアJF協会(東京都練馬区)の宮川晴妃会長(71)は、高齢者施設で足つめのケアの重要性が知られていない現状をこう嘆く。
 足つめは、指先を保護するだけでなく、指の力を強くさせ、体のバランスを取る役割を担う。そのため、変形や肥厚、巻きづめ、つめの水虫といったトラブルをほっておくと、歩行に影響が出てくるという。
 ケアが十分でないと<つめの痛みなどで歩きにくくなる→ひざや腰に負担がかかって痛みが生じる→歩くのが面倒になる→筋肉が衰える>ようになる。この負の連鎖で、高齢者は転倒しやすくなって閉じこもりがちになったり、車いす生活になったりする。
 宮川さんも一九九六年、フィンランドに研修で訪問するまで、足つめケアの重要性を意識していなかった。
 見学したどの施設でも足のつめ切りなどフットケアを重要視していた。その理由を足の疾病の専門医から「二本足で歩くことは誰もの願い。その尊厳にかかわり、それを守るのが私たちの仕事」と説明され、ケアの大切さを実感した。同国でフットケア技術を学び、現在、看護・介護職のスタッフに技術指導している。
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 家庭でできるケア法もある。
 まず「足を清潔にすることが基本」。足の裏は体で汗を一番かく場所の一つでもあるからだ。毎日洗い、週一回は軟らかい歯ブラシでせっけんを泡立てて、つめの周囲だけでなく、つめ先と皮膚の間も洗う。洗い流した後、指の間などしっかりふき取り、保湿クリームを塗ることも大切だ。
 つめを切るのは、つめが軟らかくなる入浴後。切る際は、「足の裏側から見るとトウモロコシの粒のような足指の形に合わせて切る」。足指の形に合わせないと、つめへの力のかかり具合が不均一になり、変形する原因にもなる。
 つめ先を五等分して両端を一五度ぐらいの角度で、中央部分は直線に切る。四五度ぐらいの角度で切ってしまう人が多いが、これではつめが変形しやすくなる=イラスト。深づめ防止に、中央部分を切る際は、つめ切りを足指の延長線上に一直線になるような位置に保ち切る。両端は少し下から足指に刃を当てる。
 つめ切りは刃の形状が真っすぐなものを使う。一般的なつめ切りは刃がカーブしているので、足つめには向いていない。
 つめの長さは足を横から見て、足指の先端に垂直に平らなものを当てて、つめが当たらない(足指より出ていない)程度が目安。先端の白い部分を〇・五-一ミリぐらい残すのがいいそうだ。
 何かに引っ掛からないように、つめ先の左右の端から中央に向かってヤスリを掛けて整える。
 ただ、つめのトラブルが糖尿病など疾病が原因のこともあり、皮膚科など医療機関に相談することも必要だ。

    2009/3/4     中日新聞