パーキンソン病解明に光 新たな原因遺伝子発見 坪井・福大准教授ら 「家族性」患者のDNA 共通の変異突き止め
体に震えやこわばりが生じる原因不明の神経難病パーキンソン病の一種で若年性患者に多いペリー症候群の発症に、タンパク質をつくる遺伝子「DCTN1」の変異が深く関係していることを、福岡大学医学部の坪井義夫准教授(神経内科)などの研究グループが発見した。近く米国の科学誌ネイチャージェネティクスに発表する。DCTN1の変異は他のパーキンソン病の発症にも関係している可能性があり、坪井准教授は「研究を進め、早期診断や治療に役立てたい」と話している。
パーキンソン病には親族に患者がいる「家族性」(遺伝性)と患者がいない「孤発性」(非遺伝性)がある。坪井准教授によると、ペリー症候群は家族性で、パーキンソン病の症状に先行し、うつ症状や体重の減少が起きるのが特徴。40代で発症する患者が多く、呼吸障害で突然死するケースも少なくない。
坪井准教授と米国医療機関メイヨ・クリニックのゾレック博士らの研究グループは2001年から、日本と米国、英国、カナダ、フランス、トルコの6カ国で、ペリー症候群患者のDNAサンプルを解析した結果、共通点として第二染色体にあるDCTN1の変異を突き止めたという。
パーキンソン病は、不要なタンパク質が脳に蓄積し、神経伝達物質ドーパミンを分泌する細胞が変性するために発症するとみられており、家族性パーキンソン病の原因遺伝子はこれまでにも「シヌクレイン」「LRRK2」など数種類が確認されている。
現在、パーキンソン病の国内患者数は約15万人といわれ、大半は親族に患者がいない孤発性だが、坪井准教授は「家族性の原因遺伝子の特定が孤発性の発症メカニズムの解明につながる可能性もある」とみている。今後は、全身の筋肉が動かなくなる難病、家族性筋萎(い)縮(しゅく)性側(そく)索(さく)硬化症(FALS)との関連も含め、DCTN1について研究を深める考えだ。
2008/11/12 西日本新聞