日本ALS協 橋本会長が講演  「自由に生きて」  静岡難民ケア市民ネット総会

難病患者や家族、支援者らでつくるNPO法人静岡難民ケアネットワーク(石垣泰則理事長)は三十一日、本年度総会を静岡市駿河区小鹿の県立大短期大学部で開いた。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者で、人工呼吸器を装着して在宅生活を送っている日本ALS協会長の橋本操さん(五五)=東京都在住=を招き、講演を聴いた。
 

ALSは全身の筋肉が動かなくなる進行性の難病。橋本さんは唇の動きとまばたきで五十音を表現し、娘の佳代子さん(二七)を介して約百三十人の参加者の前で発表した。
 橋本さんは療養環境の課題や福祉行政の地域格差を指摘した上で、患者の内面や感情を語った。三十二歳で発症した自らの経緯に触れて「日本の社会は“何ができたか”“どれだけ早く達成したか”に重きを置く機能主義。患者は病気が分かると、自分の生きる価値や存在意義を見失いがちになる」と述べた。
 患者に向かっては「これまでできたことがこなせなくなったからといって、その人がその人でなくなることは絶対にない。そこにいるだけで価値がある。もっと自由に生きてください」とエールを送った。
 同ネットワークは本年度も引き続き、難病患者の外出支援や相談事業などに取り組む。
 石垣理事長は「ボランティアが活動を支えているが、まだまだマンパワー不足。多くの人に参加してもらいたい」と話した。