40代から目立つ「アラ?現象」
記憶力衰えのサイン
アラキドン酸で脳活性
「名前が出てこない」「漢字を忘れた」―など脳の衰えを実感する人が四十代から目立つようになる。こんな実態が「脳の健康とその衰えを実感する『アラ?現象』に関する意識と実態調査」で明らかになった。古賀杏林大学医学部教授(精神神経科学)は「アラ?現象は記憶力など脳の衰えのサイン」と指摘している。
調査はサントリー健康科学研究所が四十代から六十代までの男女六百人を対象にインターネットでアンケートを実施、その結果を分析した。
脳の衰えを実感する「アラ?現象」はどれほどあるのだろうか。「名前が出てこない」が78%余りと最も多く、続いて「知っている漢字が書けない」、「物をどこにしまったか忘れてしまう」の順番。87%が「アラ?現象」を経験しており、四十代から目立つという。
古賀教授によると、加齢とともに脳の機能は低下する。脳の中でも衰えやすいのが海馬という部位で、ここが記憶の中心をつかさどっている。このため、加齢による脳の機能の衰えは“物忘れ”から始まる。これが「アラ?現象」なのだ。
それではどうすれば脳の機能低下を防ぐことができるのだろうか。それには①脳を守る②心の元気を保つ③活動量を増やす―の三つが欠かせないという。さらに加齢とともに脳の萎縮(いしゅく)が進んでしまうため、脳の構造と働きを支える栄養を積極的に摂取することが大切。
脳は、水分を除くと約60%が脂質で、そのほとんどがリン脂質といわれ、細胞膜をつくっている成分だ。そのリン脂質に含まれるのがDHAやアラキドン酸。
特にアラキドン酸は脳の神経細胞の材料になり脳の機能向上が期待できる。「アラキドン酸は脳を守り、心を元気にする。そして活動量を増やし、脳の健康維持に寄与する可能性が高い」と古賀教授は話している。
◎ アラキドン酸…体内で合成できないため食事やサプリメントで摂取する必要がある必須脂肪酸の一種。卵黄やウニ、内臓、肉の脂身に豊富に含まれている。体内では脳、肝臓、皮膚などさまざまな場所に存在するが、加齢とともに減少する。少量だが母乳にも含まれており、乳幼児や高齢者には特に必要との研究報告もある。
杏林大学医学部教授
古賀 良彦
2008.6.25 静岡新聞