パーキンソン病のiPS細胞治療、ラットで成功
【ワシントン=増満浩志】新型の万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」から作り出した神経細胞を使い、パーキンソン病のラットを治療することに、米マサチューセッツ工科大のルドルフ・ヤニッシュ教授らのグループが成功した。
iPS細胞が神経病の治療に使えることを初めて示した成果。米科学アカデミー紀要に7日発表した。
研究グループは、マウスの皮膚からiPS細胞を作り、
神経伝達物質のドーパミンを分泌する細胞に分化させた。パーキンソン病を人工的に発症させたラット9匹の脳に移植したところ、8匹の症状が改善、特有の異常動作がなくなった。
パーキンソン病は、ドーパミン細胞の異常で手のふるえなどが起きる難病。移植した細胞がラットの脳内に定着し、ドーパミンを正常に分泌し始めたらしい。
患者自身の皮膚などからiPS細胞を作れば、拒絶反応なしにこうした移植治療ができると期待される。
iPS細胞研究を行っている岡野栄之・慶応大教授(生理学)の話「これまでのES細胞(胚(はい)性幹細胞)研究から予想できる結果だが、治療法開発に向けた重要な一歩と言える。人のiPS細胞を使っても同様の結果が出るか注目される」
(2008年4月8日 読売新聞)