メタボ検診 医療費削減の壮大な実験
メタボ健診(特定健診特定保健指導制度)は、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)とセットで、健康保険の医療費を抑えるために設けられました。メタボ(メタボリック・シンドローム)という考えを取り入れ、糖尿病などとその予備群を25%削減するのが目標です。
健診の実施主体をこれまでの市町村から国保などの医療保険者に代え、実効性を持たせるため、保険者が支払う後期高齢者支援金をメタボ健診の成果によって減算あるいは加算するという、いわばアメとムチの制度を導入しました。
従来の健診は、さまざまな病気の早期発見・早期治療が目的でしたが、メタボ健診はメタボとその予備群を見つけ、効率的な保健指導を行うのが目的です。しかし、大規模な健診と保健指導で医療費を削減できた例はこれまでほとんどありません。メタボ健診は、未知の領域に多額の税金や保険料、さらに医師や保健師など貴重な人材を投入する壮大な実験といえます。
健診の基本項目は、尿、血液(肝機能、脂質、血糖)、血圧、問診、診察、身長、体重に腹囲が加わります。特定の条件を満たした人に行う検査項目は貧血、心電図、眼底写真検査です。
実際には上乗せ項目やガン検診などが追加され、項目が従来と変わらない市町村から削減した市町村までさまざまです。自己負担も、無料から特定健診分1000円程度までさまざまです。財政の厳しい市町村ほど少ない項目で自己負担が多く、格差が従来より拡大しました。
対象は40歳以上の健康保険加入者で、未加入者は受診できません。保険料滞納者には自己負担を増やす市町村もあります。75歳以上には基本項目のみに限定して実施する市町村が多く、生活習慣病を治療中の人を除外するところもあります。
(2008年9月10日 読売新聞)