“メタボ”は「睡眠」とセットで治せ!!

運動、食事改善で成果出ない皆サン
メタボリック症候群をいかに解消するかが、中高年のキーワードになっている。そのためには、食事と運動を改善するのが一般的だが、これに「睡眠」を加えた“3本柱の改善”がより効果的だということが分かってきたのだ。

広島国際大心理科学部の田中秀樹准教授に聞いた。

「世界では、睡眠とメタボの関係がいち早く研究されていて、短時間睡眠や不眠症などの睡眠障害は、メタボのリスク要因となっています。ここにきて、日本でもそれを裏づける研究結果が続出しているのです」
 田中准教授は、広島県民587人の健康診断データから、血圧や中性脂肪、肝機能、腎機能など7項目を取り出し、「熟眠感」の有無で分析したところ、すべての項目で熟眠感がないグループに基準値を超えている人が多かった。日大医学部の兼坂佳孝講師は2万2000人を対象に、睡眠時間とメタボの関係を調査。睡眠7〜8時間の人のメタボリスクが最も低く、これを超えても未満でも、糖尿病のリスクが3〜5倍に上がったという。
「こうした調査結果を踏まえると、運動習慣と食習慣の改善だけでなく、睡眠の改善も加えた方が、メタボ予防につながるはず。そこで、この3つを一緒に行う改善プログラムを取り入れたところ、注目すべき結果が得られたのです」

●不眠や短時間睡眠も改善し“三位一体改革”ならうまくいく
 改善プログラムの中身はこうだ。広島県の20代の男女30人を対象に、睡眠、運動、食事の各項目ごとに掲げられたメニューから、“努力すればできそうなもの”をそれぞれチョイス。“すでにできているもの”と“今のところ実現不可能”を選ばないのがポイントだ。それを実行して、毎日、その達成度による得点を記入しながら、2週間を過ごし、その前後で比較した。
「取り組み前後で、“熟眠の満足度”と“寝起きの気分”が有意に改善しました。目標達成得点が高いグループは、低いグループに比べて、体脂肪率と皮下脂肪率が有意に低下、さらに基礎代謝量がアップしたのです」
 これを、メタボ化がいち早く進む沖縄でも実施。30〜50代の男女30人を、プログラムを実施する15人と、対照グループの15人に分けて8週間、追跡した。
「プログラムを行ったグループは、睡眠状態が改善しました。中性脂肪値は、対照グループはやや上昇したのですが、プログラムを行ったグループは162(mg/dl)から140に低下し、正常化したのです」
 このプログラムを行うと、食事や健康への関心が高まり、生活改善が長続きしやすいこともわかっている。試してみる価値がありそうだ。

●主なメニュー
【睡眠】毎朝決まった時刻に起きる、携帯電話を枕元に置かない、寝床でテレビを見ない、休日も平日と同じ時間に起きる。
【食事】朝食を規則正しくとる、夕食後はカフェインを避ける、就寝2時間前に食事を終える。
【運動】日中はできるだけ活動的に過ごす、趣味やサークル活動を楽しむ、就寝2時間前までに30分ほど運動する。
 全28項目のうち、10項目を抜粋。詳しくは、田中秀樹著「ぐっすり眠れる3つの習慣」(KKベストセラーズ)を参照。
日刊ゲンダイ 2008.8.28