メタボ健診:自治体6割「見直しを」 1割は「廃止」

「メタボ健診」太らせば 「がん検診」がやせる
今年4月から始まった特定健診・保健指導(メタボ健診)について、6割の自治体が見直しを求め、1割は廃止すべきだと考えていることが、全国に806ある市と区を対象にした毎日新聞の調査で分かった。費用は国と県が3分の1を補助する仕組みだが、国の補助単価が実費に届かない自治体が8割近くあることも判明。がんなど他の検診への補助を削減する自治体もあり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)以外の対策が後退し始めた実情も浮かんだ。

調査は6月、783市と東京23区に実施。551市区(68・4%)が回答した。

 「特定健診を現在のかたちのまま継続すべきだと思うか」との問いには、347市区(63%)が「問題点を見直すべきだ」、60市(11%)は「制度自体を廃止すべきだ」とした。「現行制度のまま継続すべきだ」は62市(11%)。見直すべき理由は▽メタボに限定した検査で他の病気を見落とす可能性がある▽制度が複雑で受診率が下がる▽医療費抑制につながるか疑問−−などが挙がった。

 国は昨年末、国、県の補助額を決める補助単価案として、集団健診2880円(課税世帯の65歳未満の場合、1人あたり)、委託先医療機関などで個人が受診する個別健診5300円(同)と示した。この単価より実費の方が高いと答えた市区が、集団健診を実施する市区の76%(335市区)、個別健診では79%(397市区)に達し、自治体の持ち出しになる例が目立つ。

 保健事業の縮小・廃止をしたと答えたのは293市区(53%)に上る。▽がん検診受診者への補助削減▽人間ドック受診者への補助削減▽メタボ健診の対象外の40歳未満の健診の縮小−−などが起きていた。

 メタボ健診は、受診率などの目標を達成できない場合、後期高齢者医療制度への拠出金が増額されるが、「達成可能」は41市区(7%)のみ。「分からない」408市区(74%)、「不可能」97市区(18%)だった。不可能と答えた市区に対応を尋ねると(複数回答可)、「保険料を上げる」が約7割に達した。【永山悦子、大場あい】
毎日新聞 2008年7月27日 東京朝刊