食塩摂取 1日11グラムは「最適」
国立健康研西牟田研究員 出納試験で裏付け
食塩の摂取を制限しすぎると体に良くない。こんな結果を西牟田守国立健康・栄養研究所上級研究員が人の試験データでまとめ、東京で開かれたマグネシウム学会公開シンポジウムで発表した。
「現在の日本人の平均一日摂取量に近い食塩十一グラム程度が最適」との結果も導いており、「高血圧予防のため食塩は一日六グラム未満」とする疫学調査などを基にした定説と食い違う。日本人の食事摂取基準を改定する今後の論議に影響しそうだ。
人はどれだけの栄養分を摂取して、どれだけ排出するか。これを厳密に測るのが「出納試験」。西牟田さんらは延べ百九人の二十代の男女でこの試験を実施。研究所内の部屋に十五−二十日間、生活してもらい、栄養分を正確に測った食事を与え続け、便や尿、汗で排出される成分を調べた。
その結果、食塩摂取が少ないと、成分のナトリウムは摂取より排出が上回った。男性一日の食塩摂取量に換算して十グラムになる値で、排出量と同じになることが分かった。
少ない食塩摂取でカルシウムやマグネシウムが排出されすぎる影響も見つけた。男性一日食塩摂取十一グラムでカルシウムなどの出納が均衡した。食塩は骨から溶け出すカルシウムなどミネラル量を調節しているようだ。
西牟田さんは「食塩の必要量に関する実験的根拠はこれまでなかった。このデータで食塩不足の危険が初めて分かった。日本人が平均して摂取している食塩量は現在一日十二グラムだが、これがほぼ正しい選択だ」とみる。
減塩は脳卒中などの予防の指針で、二〇〇四年に改定された現在の食事摂取基準は一日の食塩で男性十グラム未満、女性八グラム未満を目標にしている。
静岡新聞 平成19年11月18日