メタボに勝つ(2)どこまで来た? 最新医療
“メタボ外来”から、善玉ホルモンを制御する研究まで
06年4月、京都市東山区の東山武田病院に「生活習慣病予防外来」という聞き慣れない名前の診療科が開設された。ここはいわば“メタボ外来”。医療機関がメタボリックシンドロームに正面から向き合う、先駆け的な取り組みとして注目されている。
対象は健康診断などで何らかの異常が認められた、65歳以下の初期段階の生活習慣病患者だ。診療は医師、日本糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師、管理栄養士、健康運動指導士の各専門家がタッグを組み、患者一人ひとりのライフスタイルに合った食事療法、運動療法を組み立てる。なるべく薬剤を使わず、生活習慣の改善指導を中心にオーダーメード治療を行うのが特徴だ。
06年4月、京都市東山区の東山武田病院に「生活習慣病予防外来」という聞き慣れない名前の診療科が開設された。ここはいわば“メタボ外来”。医療機関がメタボリックシンドロームに正面から向き合う、先駆け的な取り組みとして注目されている。
対象は健康診断などで何らかの異常が認められた、65歳以下の初期段階の生活習慣病患者だ。診療は医師、日本糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師、管理栄養士、健康運動指導士の各専門家がタッグを組み、患者一人ひとりのライフスタイルに合った食事療法、運動療法を組み立てる。なるべく薬剤を使わず、生活習慣の改善指導を中心にオーダーメード治療を行うのが特徴だ。患者にかかる費用は6カ月で2万円程度だ。
「従来、『治療』は薬を処方したり、手術したりすることが中心だった。だがメタボリックシンドロームは生活習慣を改善することで早期に治療できる場合が多い」と、桝田出副院長は開設の狙いを語る。同院がメタボの早期治療として行っているのは以下のとおりだ。
(1)患者の生活習慣を把握
初診時に実施。血液検査や体重、体脂肪など基礎データを測定後、専門スタッフが患者の生活スタイルを聞き取る。食習慣や運動習慣、睡眠時間、喫煙量などを徹底的にヒアリングして生活習慣を把握する。
(2)食事・運動療法を指導
患者のライフスタイルに合った食事改善策や運動方法を助言する。ラーメン好きなら「汁は必ず残す」、バス通勤なら「1駅歩く」といった身近な目標を立てて達成感を味わってもらう。病院内にも運動指導の設備が用意されているので、そちらも並行して活用する。
(3)達成度を確認
1〜2カ月ごとに、体重変化や血液検査のデータなどで達成度を確認。患者が、体重や血圧、脈拍、運動量や目標の達成度を毎日「ヘルスチェックカレンダー」に記録する仕組み。自己管理を促して、適切な生活習慣を身に付けてもらう。
(4)半年で成果を判定
診療期間は半年。体重減少やコレステロール値の低下など、目標を達成した患者に表彰状を贈って努力をたたえる。
このように患者の生活習慣を徹底的に分析して、改善策を指導する。同院では開設から10カ月で50〜60人の患者が診察を受け、4、5人が生活改善の目標を達成して表彰状を手に“卒業”した。ある40代の女性は、5カ月間で10kgの減量に成功し、血液中の中性脂肪や血糖値も下がったという。
ただし、専門スタッフ4人がかりで1日に4人の患者を診るのが精いっぱいなうえに、現行の医療制度では食事指導など一部しか診療報酬を請求できず、採算は厳しいという。だが「患者はこれからさらに増える。試行錯誤を重ねながら、これがメタボリックシンドロームの治療という形をつくっていきたい」(桝田副院長)と話す。
東山武田病院以外にも、メタボ撃退をターゲットにした医療機関の専門窓口がじわじわ増えつつある。
国の制度としても、08年4月からメタボリックシンドロームに主眼をおいた健診と保健指導の新しい制度が始まる。40〜74歳の国民ほぼ全員への健診と保健指導が、健康保険組合などに義務化され、メタボを早期発見することで生活習慣病を予防し、医療制度の改革と将来の医療費削減を目指している。