副作用…観察など不十分と提訴 投薬後自殺で遺族
長野市若里の長野赤十字病院に腎臓病で入院した市内の歯科医師男性=当時(57)=が昨年2月、ステロイド剤を投与された後に飛び降り自殺したのは、病院が副作用のうつ状態に対する十分な配慮と観察をしなかったのが原因として、男性の遺族が22日までに、病院を経営する日本赤十字社に慰謝料など8500万円余の損害賠償を求め長野地裁に提訴した。
訴状によると、男性は昨年1月、腎機能の低下で尿にタンパク質が出るネフローゼ症候群の疑いで同病院に入院。治療のため同2月から別の薬剤とともにステロイド剤の投与を受けた。この時、病院は男性側に、気分が不安定になるといった副作用があると説明した。
その後、男性は「飛び降りたい気分」などと訴え、同病院の精神科医が「ステロイド精神病の疑い」と診断。男性は病室で不自然な行動を取るなどしたが、病院は精神科病棟に移さず、男性は診断された日の夜に病室の窓から飛び降りた。
遺族の代理人弁護士は「男性の異常に適切に対処しなかった病院の対応が問題」としている。長野赤十字病院は「弁護士と相談して、裁判の中で主張したい」としている。
信濃毎日新聞 - 2007年10月22日