腎性貧血治療を適応としたCERAの販売承認をロシュがFDAに申請

透析施行中および透析導入前の慢性腎臓病患者対象の維持試験4件と改善試験2件を含む臨床第III相試験全体の結果に基づいて申請


バイオテクノロジーの世界的リーダーであるロシュは本日、透析施行中および透析導入前の慢性腎臓病(CKD)患者に合併する貧血の治療薬として、CERAの生物学的製剤販売承認申請(BLA)を米国食品医薬品局(FDA)に提出しました。

革新的開発品の貧血治療薬CERAは最初の、かつ唯一のContinuous Erythropoietin Receptor Activator(持続的エリスロポエチン受容体活性化剤)です。すなわち、赤血球産生の刺激に関与する受容体部位でのCERAの活性が、従来のエポエチンで観察されてきたものと異なっており、こうした独特の分子間相互作用が、安定的かつ持続的な貧血のコントロールに必須の役割を果たすと考えられています。CERAはまた、初回申請において最長で4週間に1回という長い投与間隔で試験がおこなわれた唯一の貧血治療薬となります。

ロシュ・グローバル医薬開発ヘッドのエド・ホルドナーはこう述べています。「今回のCERAの米国での申請は、この重要な治療薬を供給するための次なる一歩です。医師の間では、最善の努力をもってしても患者のヘモグロビン値を目標範囲に維持することは困難だとされている注1,2ことがわかっていたため、ヘモグロビン値の改善とヘモグロビン値の長期間維持が試験の主要評価項目の一つでした」。

今回のBLA申請は、腎性貧血治療薬ではこれまでで最大規模の臨床プログラムに基づくものです。29カ国から2,400名の患者が参加した6件の臨床第III相試験で構成されています。各試験では、静脈内投与および皮下投与の双方による4週間に1回のCERA投与の有効性が検討されました。
昨年12月、第III相臨床試験のうち維持試験4件が成功裏に完了し、また、ロシュはごく最近、貧血治療(改善)の最後の試験2件を終了しました。試験では主要評価項目が達成され、投与間隔が延長された場合のCERAの静脈内投与および皮下投与の双方において、ベスト・プラクティス ガイドラインに即した貧血の改善および改善後のヘモグロビン濃度の維持に有効であることが認められました。全般的に、安全性のプロファイルは試験対象の患者群での特性と同様でした。

貧血について
米国における慢性腎臓病患者の数は、透析施行中患者が約32万4千人、透析導入前患者が約53万人です。貧血は、赤血球またはヘモグロビンが正常値よりも低い病態を言います。ヘモグロビンは赤血球による体全体への酸素供給を可能にしており、必要な酸素が枯渇してくると、めまいや蒼白などの症状を伴う激しい疲労が生じます。酸素不足を補うため体(特に心臓など)がさらに無理な反応を起こすと、これ以外の重い臨床的合併症も現れます。

通常、体内で利用可能な酸素の減少が感知されるとエリスロポエチン(腎臓で産生される蛋白質)が産生されます。この蛋白質が酸素を運ぶ赤血球細胞の骨髄での産生を刺激し、赤血球数が増えます。腎臓病患者のように、この自然のメカニズムが妨げられた場合、CERAのような薬剤で骨髄内の受容体を刺激し、赤血球細胞を産生させることが有効となります。治療目標は、ヘモグロビンを適切な値に回復させ、その値を長期間維持することです。

ロシュについて
ロシュは、本社をスイスのバーゼルに置く、医薬品と診断の領域で活躍する世界トップクラスの研究開発型ヘルスケア企業グループです。疾病の早期発見、予防、診断、治療のための革新的製品およびサービスのサプライヤーとして、ロシュ・グループは人びとの健康とQOLの改善に多方面で貢献しています。ロシュは診断分野では世界第1位、がんおよび移植関連分野ではトップサプライヤー、ウイルス分野でもマーケットリーダーとなっています。2005年度の売上は、医薬品事業本部では273億スイスフラン、診断事業本部は82億スイスフランでした。世界150カ国に約7万人の社員を擁し、多数のパートナー企業と戦略的アライアンスや研究開発契約を締結しており、またジェネンテックと中外製薬両社の株式の過半数を取得しています。ロシュ・グループに関するさらに詳しい情報は、http://www.roche.com/でご覧ください。

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編集者用メモ
今回の臨床第III相試験プログラムは、改善試験2件と維持試験4件で構成されている。「改善」とは、貧血と診断されてはいるが、Hb濃度を上げる薬剤を用いた治療を受けていない腎臓病患者の初期治療のことである。「維持」とは、Hb濃度が改善された患者において、長期間そのHb濃度を保持することである。
182名の透析患者を対象とした1件目の改善試験では、最初の24週間に2週間に1回CERAが静脈内投与された患者のHb濃度改善効果が検討された。その後、引き続き28週間、同じ投与間隔が継続された患者と、4週間に1回の用法で投与された患者にわけられ、これらのCERA投与群は、epoetinで承認済みの週3回投与群と比較された。
透析導入前の慢性腎臓病患者324名を対象とした2件目の改善試験では、最初の28週間で達成されたHb濃度改善効果およびベースラインから10週間の評価期間のHb濃度変化が評価された。患者の貧血はCERAを2週間に1回皮下投与することで改善した。その後、24週間の維持期間中、2種類のCERAの投与間隔(2週間に1回または4週間に1回)が検討された。これらのCERA投与群は、承認済みの用法・用量に従って1週間または2週間に1回darbepoetin alfaが投与された群と比較された。

2006年4月20日 バーゼル発

参考文献: 注1. Lascon E et al: Effect of Variability in Anemia Management on Hemoglobin Outcomes in ESRD. Am J Kidney Dis:41:111-124, 2003.
注2. Fishbane S and Berns J: Hemoglobin cycling in hemodialysis patients treated with recombinant human erythropoietin. Kidney International, Vol. 68 (2005), pp. 1337-1343.