高い血圧、塩分減らし改善  -ほどほど健康術―

日本経済新聞 2010.3.28
「血圧が高い」といわれたことはないだろうか。健康診断などでも、血圧の異常を指摘される人は多い。血圧はどうして上がるのか、下げるにはどうすればいいのか、などを考えてみよう。
 体の中には血液の流れを一定にしておかなければならない部位が2箇所ある。
 一つは脳で血流が急速に下がると、めまいや失神などが起こり、時には命に関る。そのため脳血流を調節するためのセンサーが体内にある。もう一つは腎臓で血液中のミネラル(塩分など)を一定に保つための大切な役割をになう。腎臓への血流を加減することで尿中へのミネラル排泄が調節されている。
 人間の体は年齢とともに血管も老化し血流が次第に低下していく。血圧はそれを補うために上がっていくもので自然の摂理といえる。血圧は、塩分過剰、喫煙、肥満、ストレスなどによっても一時的に上昇する。このようなときこそ原因を解消して上がりすぎた血圧は下げなければならない。
 35万人を25年間追跡し、血圧と死亡率の関係を分析する調査が米国で実施された。血圧が高い人ほど、やはり病気で死亡する割合も大きいことが分かった。この調査では重要なことがもう一つ指摘された。血圧が低すぎる人は病気以外の理由、例えば転倒・転落、自動車事故、自殺などで死亡する割合が高かったのだという。血圧は、程ほどでなければならないことになる。上がり過ぎた血圧を下げるにはどうすればよいのか。最近の大規模調査から、いろいろ有益なことが分かってきた。フィンランドでは30年かけて国民の平均塩分摂取量を6グラム減らした。血圧が平均で10~15も低下した。
 上がりすぎた血圧を改善するには、まず塩分摂取を減らすことだ。例えば、日本人が好きな梅干は大粒3個分で一日摂取量の上限となる。即席麺1個もほぼ同じだ。ほかに禁煙や運動、適切なダイエット、ストレス解消も血圧を下げる効果がある。
 血圧は自分で下げられる。市販の血圧計で時々チェックすればいいが、のめりこまないこと。繰り返しの測定は血管を傷める恐れもある。(新潟大学教授 岡田正彦)

*協会からのコメント
腎臓が血圧をコントロールしていることは皆さんご存知ですね。腎臓が壊れると血圧のコントロールが難しくなり、血圧のバランスが崩れるとミネラルのコントロールを失うことになり、結果として健康のバランスを崩すことになるようです。
 もう一つ、医療現場では、高血圧は大変問題視し下げることが至上命令となっているが、低血圧の治療はほとんど行われていない。しかし、低血圧が転倒・転落、自動車事故などの不慮の事故や死亡につながっているようです。人体が適正な血圧を保とうとするにはそれなりの理由があるのですね。