薬の健康被害100人に29件
日本経済新聞 2010年9月29日
総合病院 処方エラーは14%
地域の中核となる総合病院で、薬による健康被害が入院患者100人あたりで29件あったとの調査結果を京都大などのチームがまとめた。被害件数の6.5%は死亡や命にかかわる状態に陥っていた。薬による副作用は避けられない面もあるが、医師や薬剤師らが説教的な処方をしないなどの「エラー」も14%あった。米総合内科学会誌(電子版)に28日掲載された。
副作用、一般に起こる
調査は聖路加国際病院(東京)、洛和会音羽病院(京都)、麻生飯塚病院(福岡)を対象に2004年1~6月に実施。診療科は内科系7、外科系8、集中治療室3で、小児科・産婦人科は除いた。3459人の入院患者のカルテなどを詳しく分析した。
健康被害を受けたのは726人。発生件数は計1010件で、内訳は死亡が1.6%、ショックなどを起こし高度な治療で命を取り留めたのが4.9%。消化管出血や意識レベルの低下など重症例が32.7%あった。
投薬時などのエラーは433人に合計514件発生。3分の2が薬の処方指示時に起き、薬剤投与時や投与後の観察時も目立った。担当医の経験が浅い場合や、薬剤が多いときにエラーの危険が高かった。健康被害の発生件数中、エラーを伴っていた割合は14%だった。京大の森本剛講師は「入院時の薬による副作用は一般的に起こりうることだ。」と指摘する一方で「エラーは避けるべき薬の組み合わせを除外するシステムの整備や、薬剤師の積極介入などで減らせるはず」としている。
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