腎臓病悪化の仕組み解明 京大、治療法開発に期待
2010.2.9 09:23 産経新聞
腎臓で出ている特有のタンパク質が腎臓病を悪化させる仕組みを、京都大の柳田素子講師(腎臓病学)らの研究グループがマウス実験で突き止め、米医学誌(電子版)に9日、発表した。
柳田講師は「このタンパク質の作用を抑える薬を開発すれば、糖尿病性の腎症など、慢性腎臓病の治療に役立つ可能性がある」としている。
腎臓は主に、毛細血管が集まった糸球体と、尿細管からなり、これらが障害を受けると機能が低下する。
グループは、腎臓を保護、修復する体内の「BMP7」という物質に結合して、その働きを抑制するタンパク質「USAG-1」に注目。糸球体障害が進行し腎不全になる先天性疾患のアルポート症候群のマウスでも、このタンパク質ができないようにしたマウスを交配し遺伝子改変マウスを作製すると、腎不全にならず、生存率も高くなっていた。
BMP7は、骨形成因子で腎臓発生に関る因子でもあり、腎臓病を修復する効果を持っている。だから、腎臓病になったらBMP7を投与すれば病気の修復が可能だが、その薬効は腎臓だけに限らず副作用心配だ。
そこで、BMP7の働きを抑制するUSAG-7というタンパク質を抑えて、BMP7が十分に働けば腎臓病の悪化を止めることができることが解ったという。
腎臓病の発生を防ぐことはできないが悪化を止める方法がわかってきたことは朗報だ。
柳田素子先生の研究概要・・・・京都大学医学研究科
研究仮説 「腎臓病は増悪因子を取り除くことで治るかもしれない」
研究目標 「障害腎を元に戻すような治療薬を開発したい」




